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9.風景を撮る

 風景写真では広角側を使う場合が圧倒的に多くなります。デジカメでは広角側が35mmというのが多いですが、28mmという機種もあります。35mmと28mmでは数値的にはあまり差がないように思われますが、画角では35mmが54度に対し28mmでは64度と10度もの大きな差になり、写る範囲が大きく異なります。

 これを補う方法として、ワイドコンバージョンレンズと言うのがあり、デジカメのレンズに取り付けて使用します。もうひとつ2〜3枚ずらして撮って後でパノラマ合成する方法もあります。パノラマ合成する写真は露出やズームは完全に同じとし、水平又は垂直方向にずらして撮ります。合成はつなぎ目が判らないように合成してくれるソフトがあります。下の写真は4枚をパノラマ合成していますが、左2枚は同露出ですが右2枚はAEのまま撮っているため露出が異なりつなぎ目がはっきり判ります。

下の写真はうまくパノラマ合成の出来たものです。28mm広角で撮った写真3枚を合成しています。約180度の角度になるので、ほぼ人の目と同じ範囲が写っています。

風景で良い作品というと、構図の決め方と光の活かし方と言えるようです。

構図での注意点は特別な場合を除いて水平、垂直が画面と一致させること。その他は自分の感性で美しいと思える構成にすることでしょうが、判らなければ色々構図を変えて枚数を撮っておき、パソコン画面で良いものを選択する。これが正にデジカメの利点です。

 風景写真の画面構成で3分割法というのがあります。画面を縦横3等分し、これに合うように構図を決めるとバランスが良いということです。また何かポイントになるものを置くなら、その4箇所の交点のどれかにということです。必ずしもこの通りでなければならないということではありませんが、ど真ん中で分割されたものよりは何となく心地よい構図になります。


 筆者の沢山の写真から良さそうなものを選んだのですが、結果として上の山のパノラマも、下の富士山の写真も、大体3分割法に合致したものになっています。

 デジカメではモニターやファインダー画面に3分割の線を表示できる機種も多いので、慣れるまではこの線を表示して撮影すると便利です。

同じ場所同じ構図でも、日差しの方向が変わるだけでも大きく変わります。また昼間と夕景では全く趣が異なります。予めその場所の情報を集めたり、撮る方向や、山などの位置関係、日の出、日没時間などを調べ、時間の経過でどうなるかをシミュレーションし、良いと思われる時間に行くと良いでしょう。本格的には何度もその場所に足を運び、最高の瞬間を捕らえるのがベストですが、ここまでやれるのはもうプロでしょう。

上の写真は日光の半月山展望台から富士山が幻想的なシルエット状に見えたものです。秋の快晴の朝に比較的高い山で見られる風景です。筆者の場合はそこへ行った時にたまたま運良く見えたので撮ったということですが、もう少し早い時間帯だともっとコントラストの強いきれいな写真になったと思われます。
これはDiMAGE7の200mm望遠に1.83×テレコンを付けて撮ったもので、360mm望遠相当ということになります。三脚使用。補正-0.7,f6.7,1/1000

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