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27.写真撮影に於けるマナー

 昔と違い現代ではカメラマンは非常に多くなっています。携帯電話もデジカメ並みの性能を持つようになったため、見方によればほぼ100%の人がカメラマンと言ってよい程です。これだけ多くなるとどうしてもルールが必要となり、ルールを守らない者が居るとトラブルが発生したりします。また、インターネットが普及した現代ではデジカメ写真がネットとの相性が良いことから、肖像権やプライバシーという問題にも拘わってくるので、ここでも配慮が必要になります。
 趣味で写真を楽しみたい皆さんの「楽しさ」が台無しにならないよう、写真撮影に於けるマナー違反を挙げてみました。ここではネイチャーフォトグラフィー(自然を被写体とした写真)を対象にしております。

×(1)撮影の邪魔になる枝を折ったり木を切ったりする。
 風景写真を撮ろうとすると、近くの木や枝が邪魔になるというのはよくあることです。しかし、いくら邪魔だといってもその木を切ったり枝を折ったりするのは自然破壊です。きれいな写真を撮りたいというのはあくまで個人の欲望でしかありません。みんなの自然を個人の欲望で壊してはいけないのは当然のことです。国立公園などでは厳しく禁止されています。
×(2)木道や遊歩道から立入り禁止場所へ踏み込んで撮影する。
 木道や遊歩道から少し離れた場所に花が咲いていたりすると、近くから撮ろうとする人達が踏み込んで踏み跡がついているのをよく見かけます。おそらく誰か1人が踏み込んだのを見て自分も、と踏み込んだ結果ではないでしょうか。当然踏み跡ではしばらくは強い雑草も生えない状態になってしまいます。もしかしたらそこには別の希少な植物の花が咲こうとしていたかもしれないのです。今や「1人くらいいいだろう」というのは通用しないのです。
×(3)ロープなどを越えて三脚を立てる。
 三脚というのは脚先端の設置面積は少ないもので、単位面積あたりにかかる荷重は人の足より大きくなるものです。また突き刺すような状態になるため、自然環境には踏み込む以上に害を与えるものです。「自分は入ってないからいいだろう」も通用しません。
×(4)通路を三脚で塞ぎ他の人の通行を妨げる。
 木道や遊歩道を大きな三脚で塞いで撮影している姿もよく見かけます。人によっては「どうぞ」と撮り終わるまで待ってくれる人もいるでしょうが、通行する人の多い場所での三脚撮影は原則「ノー」ということです。カメラマンだからと言って甘えられる時代ではないのです。少しでも他人に迷惑のかかる行為は止めましょう。
×(5)大勢のグループで撮影場所を長時間占領する。
 写真同好会とか撮影ツアーなどグループで撮影旅行をするというのも多くなりました。こんな時、条件の良い撮影場所にグループで留まることもあるかと思いますが、グループ以外の人がその場所から撮影したくても、なかなか空かないということもあります。よい写真を撮りたいのはお互い様ですので、他の人を見つけたら「どうぞどうぞ」と譲り合うようにしましょう。
×(6)タバコの吸殻やゴミを捨てる。
 禁煙運動の盛んな現在では、たとえ屋外でも人の多い場所での喫煙は控えるようにしましょう。まして吸殻やゴミを捨てるのは言語道断、後から来る人の気分を害しますし、枯草火災の危険もあります。地元の人からカメラマン全体に「もう来ないで」と言われてしまいます。逆に落ちている吸殻やゴミを見つけたら拾って持ち帰るようにしましょう。
×(7)撮影地での車の迷惑駐車、エンジンのかけっぱなし。
 撮影地で駐車場の整備されていないところも多くあります。狭い道路に迷惑駐車したり、短時間でもエンジンのかけっぱなしは回りの人達に迷惑になります。路上駐車では事故の危険性もあります。多少距離があっても安全で迷惑にならない場所に駐車し、歩いて撮影場所へ行くようにしましょう。
×(8)カメラマン同士の口論、喧嘩。
 時々撮影地で「おい。そこどけよ!」などと大声で怒鳴っているカメラマンに遭遇したりします。そんな声を聞いただけで、撮影気分を削がれて帰りたくなります。多くの場合は場所取りやファインダー視野に入り込んだというような争いですが、相手も撮影に夢中で気付かないだけでしょうから、いきなり怒鳴るのでなく、「すみませんが・・・」とやさしく声をかければよいのではないでしょうか。
×(9)断りなしに人物や個人住宅を撮る。
 当サイトの対象(自然)では人物を撮ることは少ないでしょうが、風景の一部に人物を取り込むこともあるでしょう。こんな時、遠くで個人を特定できない程度であれば問題ありませんが、農作業風景などで個人を特定できる程度に撮るのであれば、事前に承諾が必要です。小さく撮ったけれども写真を大きくしたときに判ってしまうという場合には、編集して判らなくする配慮も必要です。撮影相手が個人住宅でもプライバシーへの配慮が必要になります。
×(10)野鳥に大きなストレスを与える撮影。
 野鳥にとってはバードウォッチングや撮影そのものがある程度のストレスになるものなので、「撮影させていただく」という配慮しながらの撮影が基本となります。この中で絶対やってはいけない行為として1)ストロボの使用 2)営巣の近接撮影 3)大声を出す が挙げられます。営巣放棄に繋がる撮影距離などは野鳥の種により異なるので、判らなければ近寄らないことです。

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