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24.背景との調和

 撮影対象物の構図上の配置が良くても、背景に目障りな人工物が写ったり、背景の中に対象物が埋もれてしまったりしたのでは台無しになってしまいます。撮影時に背景をどのように処理するかを考えてみましょう。

 まず、背景を生かすかどうかを考えてみましょう。撮影場所の雰囲気を表現するかどうかです。
1.背景をある程度生かす必要がある場合とか、どうしても背景がはっきり写りこんでしまうという場合、
 ○目立つ形状物が対象物と重なるような構図は避けましょう。
 ○背景が対象物を分断したり、対象物を突き抜けたような構図は避けましょう。

2.背景の詳細を示す必要が無い場合、
 ○半ボケになるよう絞りや焦点距離を調整しましょう。
 これは、後ろのミズバショウの群生状態も表現するように半ボケ状態にしたものです。
3.背景が何であるかを意識しない場合、
 ○完全に背景をぼかしてみましょう。
 レンズの小さいコンパクトデジカメでは完全にぼかすというのはちょっと無理です。
 左の写真は完全に背景をボカしていますが、白い花が白い空と重ならないように木の緑を配したものです。

以上は構図としての背景の処理ですが、背景の色や明るさの配置も重要です。

4.背景の明るさ
 暗い背景に明るい対象物を写すと成功し易いです。特殊なケース以外はこの逆、すなわち明るい背景に暗い対象物というのは失敗作になり易くなります。ところが現実には空をバックにせざるを得ないというケースが非常に多くあります。

 右下の写真は曇り空をバックにしているため、ホオジロの色やコントラストが出ていません。
 左下のアサガオは暗いバックで色が良く出るようにしたものです。

5.背景の色
 色については背景は彩度の低い青や緑系にするのが良く、逆、すなわち彩度の高い赤や黄系が背景にくると対象物がくすんでしまいます。
 デジカメの場合、対象物と背景のコントラストが強過ぎると、白トビを起こし易いので露出の注意が必要です。コントラストが強過ぎないバランスを選んだ方が良いでしょう。

 以上のような基本を頭に入れて、実際の撮影現場に行くと、全く理想的な背景を選べないというのが実情です。高い位置の花や鳥などは背景が空になることが多いですね。濃い色の青空なら良いのですが、薄曇りだと最悪で背景が真っ白で対象物が真っ黒になったり、殆ど対象物の色が出ないというようなことになります。このような場合は背景が白い空にならないように、木があれば、木の緑を背景に入れる位置を探すとか、山があれば、山肌を背景に入れるとか、何かの日陰部分を背景にとか、高い位置から撮るなど、足を使って良い位置を探す必要があります。背景の選択というのは写真の腕の良し悪しの大きな要素になると言えるのではないでしょうか。

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