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22.画質(JPEG圧縮率)の選択

 デジカメでは写真の保存画質に数通りあり、選択できるようになっています。一般的には圧縮によりファイルサイズを小さくするJPEG形式が採用されております。この圧縮率により幾通りかあります。機種により呼び方や、その圧縮率は異なります。

超高画質 圧縮なしのTIFF画像 圧縮はなく、写真の総ての情報がそのまま保存されるが、ファイルサイズが膨大で、保存に時間がかかり,保存可能枚数が極端に少ない
高画質 低圧縮のJPEG画像 ファイルサイズが大き目であるが画質を重視する場合に使う
標準画質 標準圧縮のJPEG画像 カメラで標準的に採用した画質で、最も実用的としている画質
低画質 高圧縮のJPEG画像 ファイルサイズが小さいので、同じ記録メディア容量でも枚数を多く保存できる
RAW 生データ 撮像素子(CMOSやCCD)に記録されたデータにデジタル処理等の加工をしていないデータ。パソコンでの現像時に好みの処理ができる。ファイルサイズはTIFFの2/3程度

 記録画質と実際に見た時の画質がどんな関係にあるのかを調べてみました。すなわちデジカメで撮影するとき、目的にも依りますが「最低限どの画質を選択すればよいのか」、を検証してみました。

 下の比較写真は、DiMAGE7を使用し、画質だけを変えて撮った右写真の赤枠部を切り取り画面上100%表示で比較したものです。
 大きな差があるはずである低画質(エコノミー)と高画質(ファイン)を比較しましたが、ファイルサイズでは1:2.8もの差がありますが、画面上で見る限り差は全く判りません。
エコノミー 元画像サイズ=1,000KB ファイン 元画像サイズ=2,773KB

 左のグラフは上の写真をRAWで撮影し、現像時に圧縮率を変化させて調べたものです。画像サイズは2560×1920(500万画素)です。

 圧縮率によりファイルサイズは変わり、圧縮率20(単位は不明)まではファイルサイズがかなり小さくなりますが、目視の画質は殆ど変わらず、パソコン画面でも2Lサイズに印刷しても全く差は判りません。
 圧縮率が30以上になると差が判るようになり、80以上ではかなりひどくなりモザイクのかかったようになります。

 下は比較的差の判り易い部分を縮小なしで表示したものです。カメラに組み込まれている画質の圧縮率FINEとかSTANDARD、ECONOMYは圧縮率20〜30以下で設定されていると思われます。これ以上圧縮してもファイルサイズはあまり小さくならないばかりか目視画質の低下が大きくなるからです。(ちなみにDiMAGE7ではFINEの圧縮率=4、STANDARDの圧縮率=12、ECONOMYの圧縮率=21に相当するようです)

圧縮率=0
(FINEは圧縮率=4程度)
圧縮率=20
(Economy相当)
圧縮率=40 圧縮率=80

 印刷結果はここに載せられませんが、目視結果としては画面と同じでした。印刷ではTIFFから直接印刷する方法も比較対象に加えてみましたが、JPEGの圧縮率=20までなら差は認められませんでした。(目視の判定はあくまで筆者個人の判定です。)

 ファイルサイズ、すなわち写真としての情報としては、確かに高画質(低圧縮)が多く持っておりますが、それよりはるかに情報量の少ない標準画質〜低画質でも、圧縮率=20程度までは普通の人の目ではその差が判別できないのではないでしょうか。したがって、安全をみて標準画質なら全く問題なしと言えそうです。プロがポスター用とか雑誌用にプロ用の機材を使って大きく印刷する場合には何等かの差が有るかも知れませんが、素人が普通の機材を使って写真を楽しむ範囲では敢えて高画質を選択する必要は無さそうです。
 RAWを使うかどうかについては、現像時に、ホワイトバランス、彩度、色合、コントラスト、シャープネス等が調整可能で、さらに保存時に画質選択可能というメリットがあるので、記録メディアの容量が大きければ別の意味でRAWを使う価値はあります。

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