20.撮った作品をどうするか
写真は他者に美しさや感動、状況を伝える手段です。他者に見せて初めて写真としての価値が発揮されるのです。そして、写真を趣味とする場合には、他者より称賛されたりアドバイスを受けることにより、もっと良い作品を撮ろうとする意欲が湧くものです。では、他者に見せる方法としてどんな方法があるのでしょうか・・・紙にプリントして家族や友人に見せたり、新聞・雑誌に投稿したり、写真集を発行したり、展覧会を開いたりする昔からある方法の他に新しい方法として、インターネットを利用して、メールで送ったり、ウェブフォトアルバムやフォトBBSに投稿したり、自分でホームページを作って掲載するなど色々な方法があります。フォトコンテストに応募して入選するようになれば、もう一人前で自信も付くのではないでしょうか。
《紙にプリントする》
1.写真屋さんに持って行く
最近はどこの写真やさんもデジカメ写真を扱ってくれます。写真やさんでのプリントは保存性の良い高品質のプリントが多いです。
もし、あなたがあまりパソコンを扱えないなら、撮影済みの記録メディア(SDメモリーカード、コンパクトフラッシュ、等)を直接持って行ってもOK。カメラごと持ち込んでも対応してもらえます。この場合、サムネイルの一覧を出してもらって、選んだものだけをL版とか2L版に印刷してもらうとよいでしょう。(これを読んでいる人はパソコンを使いこなしてますよね)
パソコンを扱えるなら、一旦パソコンのハードディスクに取り込んでから、プリントしたいものを選んでUSBメモリーやDVD−Rにコピーして持っていきます。
2.インターネットでプリント注文する
インターネットの写真アルバムサイトでは写真プリントサービスを行っています。当然パソコンを使います。
この利用方法はそれぞれのサイトで説明がありますが、@ユーザー登録(無料)する。A写真をフルサイズでアップロードする。Bプリント注文する(有料)。C1〜2日で届けられる。有料の決済はクレジットカードが主です(キャンセルできないので振込や代引が使えないのが多い)。
3.プリンターで印刷する
写真を印刷できるプリンターで最も一般的なのはカラーインクジェットプリンターです。この他に昇華型プリンターやカラーレーザープリンターがありますが、多少高価なため、個人で使う場合はインクジェットプリンターでA4サイズが適当でしょう。
プリンターはパソコンと接続して使うのが一般的ですが、パソコンが無くても、デジカメとプリンターをUSBケーブルで接続したり、記録メディアを直接プリンターに差し込んだりして印刷できる機種もあります。
パソコンを使って印刷する場合は、何らかの画像処理ソフトを使います。プリンターを購入すれば、写真印刷用のソフトが同梱されているようです。Windows7でエクスプローラのJPGファイルをダブルクリックして自動起動する「Windowsフォトビューア」でも使えます。
写真の印刷では、用紙も重要な要素です。プリンターメーカーで出している写真用の用紙を使えば間違いありません。光沢の有るもの、無いもの(マッド)、厚手、薄手、サイズではA3,A4,ハガキ,ロール紙,写真L版、2L版などがあります。初心者なら、厚手光沢紙でA4サイズがお薦めです。サイズについては’大は小を兼ねる’で後でカットすればよいのです。
紙のサイズでちょっと知っておきたいこととして、デジカメの元画像とA4判とL判では縦横比(アスペクト比)が異なります。フチ有の場合は縦と横の余白幅が異なり、フチ無しでプリントする場合には一部がカットされます。
デジカメ元画像 コンパクトデジカメ | 4:3 | 1.333 | 最近のコンパクトデジカメでは3:2や16:9選択可能 | |
デジタル一眼レフ | 3:2 | 1.5 | ||
地デジテレビ、PCワイドモニター | 16:9 | 1.78 | ||
A4判(297×210mm) | 1.414 | |||
L判(127×89mm) | 1.427 |
A判 フチ有りでの印刷 元画像の全部がプリントされる 上下と左右の余白が異なる |
A判 フチ無しでの印刷 上下がカットされる左右も少しカット |
L判 での印刷 上下がカットされるA判より少し多くカット ここではA判との差は判らない |
使うソフトによるのですが、一般のパソコン用ソフトではA4とかA5判で、プリンター付属の写真印刷用の専用ソフトではL判系を備えています。
画像サイズとプリントサイズの関係
フィルム式と同程度のプリント画質を要求する場合
L判 :127mm×89mm→1024x 768( 80万画素)ピクセル以上
2L判:169mmx127mm→1280x 960(120万画素)ピクセル以上
A4判:295mmx210mm→2560x1920(500万画素)ピクセル以上
多少粗くてもよいなら1600×1200ピクセル(200万画素)でもA4判印刷で写真として楽しめます。
プリントの場合、できるだけ大きな画像サイズを使った方がきめ細かく印刷できます。画面よりプリンターの方がppi(インチあたりのピクセル数)が10倍以上と圧倒的に高精細だからです。従って例えL判に印刷する場合でも1200万画素の画像データを使って印刷してもよいのです。用紙の設定を行えば、印刷サイズの調整はソフトとプリンターで自動でやってくれます。
逆に画素数について上の制限があるかどうかですが、デジカメで3900万画素というのも出てきており、スキャナで解像度を高くして読めば、数千万画素もあり得ます。このような高画素数を扱えるかどうかは、使うソフトとパソコンに搭載しているメモリーの大きさで決まります。最近の画像処理ソフトはデジカメの高性能化に合わせてかなり大きな画像も扱えるようになっているようです。筆者の実績では2000万画素程度でも処理できました。ただし、10年程前の旧い画像処理ソフトではだめでした。
プリントにおいて起こし易い失敗として次のものがありますので注意しましょう。
!!インクジェットプリンターでノズルの詰まりでスジが出てしまう。・・・プリンターの使い始めでノズルテストを行い、詰まりがあればヘッドクリーニングを行う。プリンターの電源OFFのとき必ず本体のスイッチを使う。いきなりプラグを抜いてはいけない。
!!用紙サイズの間違いで紙から溢れて印刷されたり、予定より小さく印刷されてしまう。・・・印刷作業を始める前にプリンターの設定で用紙サイズ等を設定する。
!!用紙の種類の設定間違いで、色の感じが違ったり色むらが出来てしまう。・・・用紙の種類に応じてインク量が異なります。用紙の袋に書いてある印刷設定通りの設定にしましょう。
!!パソコン画面と印刷結果で色が異なる。・・・先に試し刷りをして確認しましょう。画面の色調整が狂っている場合があります。印刷結果と見比べて画面の色設定を合わせて置くとよい。
《写真集を発行する》
写真集というと本屋さんで販売するような大々的なものを想像されるかも知れませんが、数部〜数十部程度ならプリンターで印刷したものを製本するだけで、業者に頼むまでも無く自分で作ることができます。”製本キット”なるものが市販されており、インターネットでも買えるので、これを使えば自分のオリジナル写真集を作ることができます。WORDなどのワープロソフトを使えば、写真や文字を自由なレイアウトで印刷することができます。
また、紙でなくDVD版写真集を発行する方法もあります。これならかなり安価で発行できます。DVDに入れるファイル形式としては、写真を見せるための専用ソフトもありますが、ホームページと同じHTML形式で入れておけば見る側もインターネットと同じ要領で見ることができるので便利です。デジタルテレビのビデオレコーダーではJPGファイルをスライドショーで見られる機種もあり、大画面で写真を楽しむことができます。さらに、DVDにムービー形式で入れておくと手軽にムービーライクなスライドショーを楽しむことも出来ます。このサイトにも一例を挙げております。
《メールで送る》
以下総てに共通することですが、縦長で撮った写真は画像処理ソフトで90度回転させてから送ったり、投稿したりしましょう。
写真をメールで送る場合、事前に次のことを確認しましょう。
@自分や相手のインターネットへの接続スピード
A相手が写真を印刷するのか、画面で見るだけなのか
B相手のパソコンの画面ピクセル数(壁紙が出ている状態で右クリック、プロパティ、設定で確認できます)
@でどちらかがダイヤルアップ56Kbpsの通信速度なら、印刷用として送るのは止めた方がよいでしょう。画素数によりますが、30分程度かかってしまいます。従って、この場合は、画面で見るだけにしてもらい、最大でも640×480ピクセル程度にリサイズして送ります。
通信がADSLや光回線、ケーブルテレビ回線など1500Kbps以上でAで印刷するなら、フルサイズのまま送ります。画面で見るだけなら、Bの相手の画面ピクセル数より一回り小さいサイズで送ればよいでしょう。
印刷用フルサイズで送るならメールに添付ファイルとして送ります。見るだけの場合、HTML形式メールを使えば、メールに直接貼り付けて送ることもできます。
《フォトアルバムやフォトBBSに投稿》
インターネットのフォトアルバムやフォトBBSは見るだけなら誰でもOKですが、投稿する場合は、無料のものが多いですが会員登録が必要です。会員登録し、IDとパスワードを取得して、ログインして登録作業をします。登録方法や使い方はそれぞれのサイトで説明があります。一般的には400×300程度のサイズで表示、大きな写真でアップロードしておれば、そのサイズでも表示できます。
これを使えば、友人や親戚に見てもらうこともできます。ただし、一般公開では他人に写真を悪用される危険がありますので、身内だけで見る場合にはパスワード設定するようにしましょう。
《ホームページに掲載する》
プロバイダーとの契約で僅かな月額アップで、1GB〜10GBのホームページスペースを使うことができます。また、各検索サイトで広告付きですが、無料でホームページを作ることもできます。自分のホームページなら自分の思い通りの書式で思い通りの大きさで見てもらうことができます。
ホームページのコンテンツ作成はインターネットの始まった頃は難しかったのですが、最近の作成ソフトを使えば(筆者はIBMホームページビルダーを使用)かなり簡単に作れます。ソフトにFTP(コンテンツをアップロードする手順)も付いており更新も容易です。BGMを付けたり、スライドショーにしたりと発展させていけるでしょう。アクセスカウンターで何人が見に来てくれたか確認できるので、これも楽しみのひとつになります。仲間を作ってお互いにリンクし合ったり、有名な掲示板で案内の書き込みをすれば一気にカウントが上がったりします。写真を趣味にしておれば、コンテンツの素材はいくらでも有りますね。せっかくホームページを開設しても、いつまでも中身が同じだと見に来てもらえません。定期的に出来れば毎週、少なくとも毎月更新をしていきましょう。
ホームページ作成のスタートはホームページ作成ソフトを買ってくることです。あなたがネットサーフィンがお得意ならフリーソフトを見つけることもできるでしょう。
ホームページでは敷居が高いと思われるなら、ブログはいかがでしょうか。ブログなら作成ソフトは不要、無料のユーザー登録だけで開設できます。