ホームページ インデックス 前ページ 次ページ

11.野鳥を撮る

 野鳥は撮ってみたい被写体のひとつですが、非常に難しいです。でも、難しいほどきれいに撮れたときはその価値も大きいですね。水鳥なら図体も大きく、場所によっては人馴れしてかなり近づいて撮れるので、この辺から挑戦してみるとよいでしょう。

 右はホシハジロ(ガンカモ科)。水鳥の場合は水面の反射も大きな要素になります。紅葉の黄色や赤を強烈に写し込んでいます。これは強烈過ぎてホシハジロそのものがかすんでしまいました。

見つけるのも大変。

 小鳥は鳴き声は聞こえるが、どこにいるのかわかりません。バードウォッチングは野鳥が活発に活動する早朝に限ります。そしていつも居る場所で静かに落ち着いて待つことでしょうか。時期としては、秋から冬にかけて多いそうです。というのは、この時期には北からの渡り鳥が多いとか、木の葉が落ちて見つけ易いからです。

動きが速いので、チャンスを捕らえにくい。

 折角見つけても、あっという間にどこかへ行ってしまいます。そして何とかシャッターを押してもブレていることが多いです。シャッター速度は出来るだけ早く、すなわち絞り優先で開放にします。AFの速い機種ならAFを使えるかも知れませんが、望遠側だとAFも難しくなります。MFにして目測の距離でも決めておいて撮った方がチャンスを捕らえ易くなります。また、目で見てからシャッターを押したのでは既に遅い場合が多いのです。連写機能があれば、使ってみましょう。

近づけない。

 じっとしている野鳥を見つけたとしても、大きく写る位置まで近づこうとすると必ず逃げられます。超望遠が欲しいところですが、3倍ズームで100mm程度のレンズでは無理なことです。野鳥を本格的に撮りたいなら、この次にレンズ交換式デジカメと400mm以上で明るい望遠レンズ(高価ですよ)を買うことにしましょう。あるいは少し安価な方法でデシスコ(フィールドスコープ(野鳥観察望遠鏡)+デジカメ)を利用する方法もあります。また、ブラインドやリモコン、センサーを使う方法もあるようですが、これらはマニアになってから。とりあえずは持っているカメラの最望遠側で、ブレないよう三脚を使って、可能な限り高速シャッターで、ピントを合わせて撮ることです。デジタルズームにしなくても最高サイズを使いましょう。そうすれば、パソコンでトリミングすれば、ある程度大きくすることができます。画面で100%サイズで表示すると、ブレやピンボケが無くても少しボケた感じになりますが、これにシャープネスをかけると何とか鑑賞に耐える作品になります。

  上の写真は極端なトリミングの例ですが、左は目いっぱいの望遠で撮ったもので、何とかサギであることがわかる程度です。このサギの部分をトリミングし、弱いシャープネスをかけたのが右です。左は35mmフィルム換算で200mm望遠、右は一辺1/5にトリミングしているので、1000mm望遠相当ということになります。

絞り優先シャッター優先
 露出はAEを使うが、絞りかシャッター速度を自分で決めたい場合があります。例えば

1)出来るだけ早いシャッター速度で動いている野鳥等を撮りたい。
2)遅いシャッター速度で滝の流れを白糸状に撮りたい。
3)絞りを開放にして背景のボケ味を活かしたい。

 このような場合、絞り優先か、シャッター速度優先を使いますがどちらを使えば良いのでしょう。⇒デジカメの場合は絞り優先を使うことになります。
 なぜかというと、デジカメの絞りの範囲は広角でf2.8〜f8、望遠でf3.5〜f9.5(機種により多少異なりますが)と、5段階しかありません。これはデジカメはCCDが小さいため、レンズの焦点距離が短かく、f11やf22などが使えません。大きな絞り値では穴が小さくなり過ぎて光の回析を起こしシャープに結像しなくなってしまうためです。そのため、シャッター速度優先で、例えば1/1000秒を選んだとすると、AEは5段階の絞りから露出を決めることになるのですが、晴れの日中ならf4.5かf5.6が選ばれOKですが、ちょっと曇ると露出不足になってしまいます。絞り優先の場合は、出来るだけ高速シャッターにしたい場合は開放に、遅くしたい場合は目いっぱい絞る(f8とかf9)ということで、AEはカメラの能力いっぱいで露出を決めてくれます。シャッター速度側は数秒〜1/2000と14段階程度の選択範囲があるからです。もちろん低速シャッターになる場合は三脚・レリーズが必要ですし、低速にならない場合はND(減光)フィルターが必要になります。

ホームページ インデックス 前ページ 次ページ