デジカメと銀塩カメラの作品上での違い

2004年5月4日

デジカメはまだ発展途上のため、現段階での考察になります。違うところを挙げてみました。

@画素数
 35mmフィルムをデジカメで例えれば1600万画素程度に相当すると言われております。画素数の多さはどこに影響するかというと、大きく印刷した場合に細かい表現やシャープネスに影響すると言えます。デジカメの画素数では既に1600万画素は一部に登場してきました。と言う事は差が無くなってきたと言えるでしょう。現在デジカメで一般的な300万画素ではL版印刷なら殆ど銀塩と差が判らないレベルになったと言ってもよいのではないでしょうか。デジカメの500万600万画素でもA4、A3サイズに印刷すると銀塩との間ではっきりした差が出てきます。しかし、つい最近、1600万画素レベルのデジカメも耳にしており精細さについての差は2〜3年の内に無くなるのではないでしょうか。

A画素の表現力
 銀塩では光の3原色をそれぞれに感じる銀塩粒子の発色により色や濃淡が表現されるのに対し、デジカメでは4画素単位でそれぞれの画素の色や濃淡の値を推定して計算して出しており、その段階は各色約4000です。銀塩のアナログの濃淡とデジカメの約4000段階の濃淡を人間の目で認識できるかどうか、ですが、銀塩とデジカメで撮った全く同じ被写体の写真を画素数差の影響の出ないL版サイズで並べて見た時、普通の人では見分けがつかないのではないでしょうか。むしろ、カメラやレンズ、使うフィルムの種類やデジカメでの作画の差の方が大きく出てしまいます。
 ただし、各色のラチチュード(ダイナミックレンジとも言われる)は今のデジカメでは狭いため、いわゆる白トビや黒ツブレが出易いので撮影時の露出設定に注意を要します。これも、CMOSセンサーで人間の目並みのものが開発されたとのニュースもあり、2〜3年で銀塩フィルムを超えるのではないでしょうか。

Bフィルムサイズと撮像素子サイズ
 フィルムサイズでは35mmが一般的なのでこれと比較すると、CCDサイズでは300万画素機なら対角線の長さで1/5、面積で1/25のため、ここに大きな差が存在します。この差がどこに出てくるのかと言うと、レンズの影響が大きいと言えます。解像度でいうとデジカメでは単純には1/25になってしまいます。そして、同じ画角ではレンズの焦点距離が短いため、被写界深度が深く、ボケを活かした作品は作りにくくなります。また、広角ではCCD周辺は斜めに光が入るため中央部と差が出るので超広角は難しい。さらに、絞り値が大きいと光の回析で解像度が悪くなるため、デジカメではf8が限界となってしまう。この辺が銀塩とデジカメで表現力の差となるところでしょう。でも35mmフィルムと同サイズのCCDやCMOSのデジカメも出始めたので、この問題も近い将来同等になるのではないでしょうか。