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★★ ワンセグ本放送開始 ★★ 2006年03月31日

 「ワンセグ」って何だ?と仰る方もおられるかも知れない。あまり騒がれないので、興味のある人の間だけで話題になっているようだ。

 「ワンセグ」とは携帯機器向け地上デジタル放送のこと。地上デジタル放送の1チャンネルあたりの電波の帯域(6MHz)を14に分け、その内ハイビジョン放送には12セグメントを使い、残りの内1つ分(ワンセグメント=430KHz)を使って放送することから、「ワンセグ」の名が付けられた。

 このワンセグの本放送が2006年4月1日から開始される。『携帯機器でテレビを観る』というのはずーと以前からあったし、携帯電話機でもアナログテレビやWEBの映像サービスを受けることができた。それなら大きな違いはないではないか、と考えてしまい、興味が沸かないのかも知れない。実際、携帯電話会社にとっても、これで通信料が増えるわけではなく、むしろ減るかも知れないし、放送局にとっても受信料を取れないし、地上デジタル放送の『おまけ』程度にしか考えていない現状であろう。地上デジタル放送の開始ではかなり話題になったが、ワンセグの開始はあまり話題にならない理由はこの辺にあるのかも知れない。

 しかし、これを利用する側からみると、結構興味が持たれる。従来のアナログ放送と比べて何が違うかというと、クリヤな画像が見られるのと、文字情報も受けられるということである。筆者は車のナビでテレビを観ることがあるが、いつも見るに耐えないボケたりゆがんだり2重になった画像が殆どである。かってのアナログ携帯テレビを新幹線の中で観たことがあるが、画像はフラフラゆがんで安定せずとても映像を楽しめるものではなかった。携帯ラジオは『通勤ラジオ』などと称されて利用されているのに、携帯テレビが普及しなかったのは映像の質に問題があったからである。これがワンセグになると、画面は小さいが受信圏内なら常にクリヤな映像を楽しめるのである。そうであれば、電車や車の中でもテレビを観ようということになるのではないだろうか。既にワンセグを採用したナビも販売されているし、携帯電話機も数機種販売されている。

 実は筆者は、つい最近10年以上使ってきたテレビが故障したため、地デジ対応の大画面液晶テレビに買い換えた。ハイビジョンの映像は確かに精細できれいに見える。そのため、見たい番組の対象が変わってきた。自然を楽しむような番組を多く観るようになったのだ。

 静止画である写真では、画像の質で観て楽しめるか否かが決まってしまうものである。ピンボケ写真や色の悪い写真では余程珍しいものが写っていない限り見る気にならないが、美しい風景写真などは画面いっぱいに大きくして行ったような気分になり癒されたり楽しんだり出来るのである。写真以上にテレビ映像の質というのはテレビの重要な要素であると言えそうである。これからは家庭内だけでなく、電車や車の中(運転手は除く)もテレビを楽しむ場となりそうである。

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