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★★ ポッドキャスティング ★★ 2005年08月22日

 インターネットの世界にまた新しいものが広がろうとしている。『ポッドキャスティング』と呼ばれるものである。現時点では『ポッドキャスティング』って何?と問われる方も多いと思われるが・・・、横文字なので、始まりはアメリカである。放送を意味するブロードキャスティングのキャスティングである。つまり、音声番組(ラジオ放送番組のようなもの)を音楽配信(RSS)と同様にアイポッドなどのMP3プレイヤーにダウンロードして聴くものである。すなわち『ポッド』と『キャスティング』をくっつけた造語である。6月28日にアップルが発表したiTunes4.9にはこのポッドキャスティングも含まれる。インターネットなので、番組の制作者は必ずしも『放送局』である必要はなく、誰でも製作し配信できることになる。実際これを扱えるブログも出てきた。サンフランシスコのAMラジオ局が経営不振から脱却のため、ポッドキャスト専門局に変身するとのこと。リスナーが自作の音声ファイルを同局のサイトにアップロードし、品質や放送規程に問題なしと判断されたポッドキャストで番組が構成される。音楽の著作権料も同局が負担するらしい。

 インターネットでは既に動画や音声番組がテレビやラジオ番組のように配信されているが、『ポッドキャスティング』はインターネットに接続されたパソコンからではなく(パソコンでも聴けるが)、持ち歩いている小さなMP3プレイヤーから聴くということである。通勤ラジオでラジオを聴くような感覚であるが、自分の好きな番組だけをいつでも好きな時間に聴くというところに違いがある。純粋に音楽だけを聴くのと違って、楽しいトークが含まれれば、もっと楽しいかも知れない。筆者のような年代なら落語や朗読番組も欲しいところである。ただし今のところ殆どは英語でしゃべっている。堀衛門さんが日本放送買収の際に言っていたのはこのような放送の変化である。

 おそらく当面、番組の大半が音楽になると思われるが、コピーしても品質劣化が無ければ、例えコマーシャルが入るとしても、またまた著作権協会あたりから何か言ってきそうな気配が感じられる。また、ちゃんとした放送局が配信するものはよいが、一般のホームページやブログから類似のものがどんどん無許可で配信されるようになったら、またまた著作権絡みの問題が出てきそうな気がする。もう、CDやテープやレコード盤の販売で稼ぐ時代は終わろうとしている。レコード会社は商売の方法を変えないと潰れるのは目に見えている。

 このようにメディアが変化していくのはよいが、ラジオ放送の役割のひとつであったリアルタイムでのニュース放送の機能は無くなってしまう。大災害や大事件が起ってもラジオニュースで知らせることはできなくなる。おそらくこの役割は携帯電話のメールに置き換わるのであろう。

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