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★★ 『巨大な百科事典』インターネット ★★ 2005年04月24日

 インターネットのフリー百科事典に『ウィキペディア』というのがある。Googleなどの検索結果として『ウィキペディア』の解説が比較的上位に挙がってくることが多くなった。
http://ja.wikipedia.org/wiki
 『ウィキペディア』とは2001年1月15日に英語で開始されたフリー百科事典である。使うのが無料であるだけではなく、誰でも執筆者や編集者になって書き込みや編集が出来、どんどん拡大している百科事典である。日本語版では現在までに10万以上の記事が、さらに他言語版でも多くの記事が書かれている。誰でも記事を書けるということで、大衆の知識を集積することにより、限りなく拡大していく百科事典と言える。ただし、記事の正確さについての基準も規制も無いので、正確であるという保証はない。これを信用するかどうかは利用者の判断にまかされるのである。また、執筆者の偏りもあって、分野によっては記事が無かったり、最新でない場合もありうるというそれなりの問題点もあろうが、利用者にとっては利用範囲が拡大し、ありがたいことである。インターネットだからこそ成し得るプロジェクトである。出版社の出版する高価な百科事典は正確さが保証されているということで価値はあるであろうが、『ウィキペディア』は規模の大きさや常に更新されているということに大きな価値がある。

 ただ、百科事典と銘打っていないが、インターネットそのものが膨大な規模の百科事典といえるのである。キーワードを入れて検索すれば、多過ぎるほどの情報がヒットし、その中から自分の必要とする情報を探し出すことが出来るのである。的確に情報を引き出すには検索技術と判断力を要するという問題を含んでいるが、『ウィキペディア』のように百科事典と銘打ったサイトではほぼ端的な回答が得られるので、この回答をヒントにしてさらにインターネット検索を進めるというのが最も賢明なやり方ではないかと思われるのである。

 名称や言葉での検索はこのようにして可能であるが、『画像を検索する』というのはまだまだではないだろうか。筆者のホームページサイトである野山の自然をテーマとした「山写真紀行」では、野山を歩いて花を見つけた時、「これはなんだろう?」と写真に撮ってみても花の名前がわからないことが多い。図鑑から探そうとしても、『花びらの数が5枚の黄色い花』で探したところで、たくさん有り過ぎて検索にならない。咲いている季節や場所、大きさや葉の形、その他微妙な特長まで照合してようやく特定できるのである。この作業は本の形態をした図鑑ではとてもできない。そこでインターネットを使うのであるが、インターネットには野草の花の図鑑サイトがたくさんある。それぞれ検索方法や並べ方が異なるが、いくつか自分の探している対象に合っていそうなサイトで写真を見比べてようやく花の名前を特定できるのである。一旦名前が判れば、それをキーに検索することにより詳しい情報はいくらでも得られるのである。筆者の例として、一昨年に山で撮影した花の名前がわからなかったものがあったが、約1年後の昨年にインターネットで花の写真を見ていた時に偶然見つけて特定できたということもあった。ちなみに、筆者も『山野草の花写真図鑑』なるものを拙サイトで運営している。ここでは、筆者にとって最も有効と思われた"撮影月日順"で"撮影場所"を付けてサムネイル写真を一覧で提示している。"いつ頃、どこで咲いていた、こんな感じの花(イメージ)"で検索できるようにしているのである。まだまだ数は少ないが、増やしていって、『巨大な百科事典』(インターネット)の足しにでもなれば本望である。

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