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★★ 便利なネットショッピングでも要注意 ★★ 2005年04月10日

 世界で1ヶ月間のインターネット利用時間が最も長いのは香港で平均22時間ほど、2位は日本で15時間ほどだそうだ。筆者は30時間は使っているので、日本の平均値の倍は利用していることになる。このインターネットの利用目的で最も多いのがメール、次が商品やサービスの情報収集で、3位がニュースなどの情報収集である。そして4位が商品やサービスの購入、すなわち『ネットショッピング』となっており、この比率が高まってきている。2004年の統計では36.8%の人が『ネットショッピング』を目的としており、さらにインターネット利用者の90%がインターネットで『ショッピング』をしたことがあるということである。

 筆者自身もインターネットで物を買うことが多くなってきている。筆者が初めてインターネットショッピングをしたのは5年前で、買ったのは現在も使っているデスクトップパソコンである。この時は自分の必要とする仕様のパソコンが欲しかったので、敢えてネットショッピングで自分仕様のコンポーネントの組み合わせで注文し、購入したのである。お蔭で5年経ってもあまり陳腐化せず充分使えているし、故障もしなかった。通信がブロードバンド化し、常時接続になってからは、買い物情報は殆どインターネットで収集するようになり、リアルショップ(普通の店)では在庫が無いとか、値段が高いとか、買い物に出掛ける時間が無いとか、交通費がかかるとか、持ち帰りが重い場合にはネットショップで購入することが多くなってきた。趣味の道具であるデジカメ、デジスコ、交換レンズなどは総てネットで購入しているし、家内も健康補助食品類はネットで購入している。また、ツアーの申し込み、ホテル、飛行機の予約はネットの方が便利で早く、安く、確実ということもあってこちらを使う比率が高まってきた。

 ネットショッピングをすると、たとえ夜中でも即確認メールが入るし、発送通知も入る。最近はレスポンスが早くなっており、購入申込の翌日〜翌々営業日には商品が届く。決済は信用度の高い店ならクレジットカード、そうでないなら代引きで行う。代引きなら、受け取った商品を確認してから代金を支払うことができるので、詐欺に遭う危険性は低い。これなら店側としても確実に代金回収ができるので安全であろう。

 今、ネットショップを開くには、売る商品とホームページ開設環境があれば可能というようになってきた。ショッピングカートなどのネットショップ用ソフトもフリーソフトでいいのがあるので殆どお金をかけずに開設できるのだ。
 このようなことで、ネットショップは過密なくらいできており、商品名で検索しても、選択に困るくらいたくさんのショップがヒットする。あと数年で『買い物』の形態は大きく変わってしまうのではないだろうか。商品を手にとってみたり試着しなくてもよいような商品/持ち帰るのが重かったり嵩張る商品/専門的で近くの店には在庫していないような商品は皆ネットショッピングになってしまうのではないだろうか。さらに数年先には街の商店街なるものは無くなっていくかも知れない。

 そして、ある程度普及すると必ず出てくるのが、これを悪用するネットショップや悪用する客である。ちょっと考えただけで想像がつくのは、次のような悪用ケースだ。
1)誰もが飛びつくような安い価格でネットショップに商品を出す。客が我も我もと注文を入れる。注文には当然住所、氏名、電話番号、もしかしてクレジットカード番号まで入れるだろう。ついでにアンケートまで付けておけば良質の個人情報が集められる。商品は発送せずショップは閉じてしまう。フィッシング詐欺の一種だ。
2)誰もが欲しがる商品をネットショップに出す。決済を銀行振込や現金送金で前払いするよう要求する。商品は発送せず金だけ集めてショップは閉じてドロン。テレビで健康に良いなどと話題になった商品を取り上げれば無防備の客がどっと集まるものだ。
3)客側での悪用では、代金後払いのショップで商品だけ受け取って、代金を払わないケースだ。会社相手の取引では1月分まとめて請求する形態も多い。会社を装って注文すれば店側も騙されてしまう。
4)客側では愉快犯や怨恨犯も考えられる。他人を騙って代引で注文する。店側は引き取り手のない商品を発送することになり、無駄な手間と送料の損害を受けることになるのだ。受ける側では家族が注文したと思い代金を払って商品を受け取ってしまう被害を受けるかもしれない。これは返品可能なので、店側が代引手数料と返品送料まで含めた損害を受けることになる。
 これらの想定される手口は現時点でも犯罪である。しかし、社会問題化するまではなかなか取り締まられないものであるし、法律の整備は遅れ勝ちである。利用者は自己責任でいつも注意深く店を選び、店側も悪い客に引っ掛からないようにしていかなければならないのである。

  『ネットショッピング』をしようとする方はショップ選びで次のような注意をされるのが賢明であろう。
1)大手の有名なショッピングモールの店を選ぶ。出店するにはある程度の審査がなされているし、ショッピングモールとしての信用度の高い決済方式を採用している。維持費もかかるので詐欺ショップとしては使いにくい。ただし、有名なショッピングモールを騙った店が出てくるかも知れないので、本物かどうかドメインなどのチェックが必要。
2)前払い方式は避ける。その店が充分信用できることを確認してからでないと払い込まない。
3)カード決済は信用できる大手有名ショップに限る。カード番号入力はSSL対応(暗号化)であるか確認。さらに入力前にパソコンのスパイウエア駆除、クッキーの削除を行っておいた方が良い。大手でも個人情報流出事件を起こしているので、絶対安全とはいえないのだが。
4)ホームページが偽物でないかどうかも疑ってみる。現在ショッピングをしようとしているホームページが本物かどうか、接続しているドメインをチェックしてみる。ホームページの作りや動きが『ちょっと変』と感じたら特に注意。
5)信用度が不明の店でも、数ヶ月以上継続して存在し、更新などの維持管理がしっかりなされており、法律で定められた、代表者氏名、社名・商号・屋号、主たる営業所の住所、確実に連絡が可能な電話番号、FAX番号及び電子メールアドレス等、業法に関る資格(免許等)がある場合はその内容が表示されておれば、一応詐欺ショップでないであろうという判断の目安になる。初めてで不安であれば連絡先に電話を入れてみるのもよいだろう。

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