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★★ アマチュアカメラマンってこんなに多かったっけ? ★★ 2005年02月19日

 前回のコラムでバードフォトグラファーの多さについて書いたが、カメラマンの増加は野鳥撮影だけではなかった。1月末の土曜日にかねてより申し込んでいた『富士山撮影会』なるバスツアーに参加した。本当はその前の週に行きたかったのだが、申込を忘れて1日遅れただけで既に満席であったのだ。仕方なく翌週のツアーに申し込んだがこれも満席、でも「これならキャンセル待ちできますよ」ということで、キャンセル待ちしていたら、運良く?キャンセルが出て1月末のツアーに行くことになった。しかし、当日朝の天気予報は曇りのち雨(前々日での予報は快晴であったのだが)。これでは富士山なんて撮れるわけない。しかし、バスは当日キャンセルした2名の空席があるだけのほぼ満席状態で出発した。案の定、全く富士山は姿を見せなかった。主催者いわく「今日はロケハンに来たと思って、また出直してください」。それでも筆者も含めて、参加者は大きな三脚とカメラを持って、モデルのいない景色を撮っていた。そんなわけで、その翌週、リベンジということで、今度は天気を確認した上で、マイカーでほぼ同じ時間で同じコースを回った。天気が良かったせいか、それぞれの撮影ポイントへ行くと居るわ居るわ大勢のカメラマンが三脚を立てて撮影しているのである。2月の始めで、この1週間はこの冬最大の寒波が来ていたのですごく寒く普通の観光客はあまりいないオフシーズンである。なのにカメラマンだけはいるのだ。特に、最後に行った山中湖からの『ダイヤモンド富士』の撮れるポイントは入る隙間も無いくらい三脚が並んでいる。勿論駐車場は満杯以上で誰も出る車は無いと承知の上で出入り通路まで埋まってしまっている。「えーっ」と驚くばかりのカメラマンの数であった。

 昨今のカメラマンは圧倒的に中高年が多い。天気の悪かったバスツアーも参加者の平均年齢はおそらく60を超えていたであろうし、最も若い人でも50は過ぎているという感じであった。どうやら現役を引退して何をやるかという時にカメラさえあればできる写真撮影というのが手っ取り早く、これをやる人が多いようである。「今の年寄りは金持ちだ」(筆者は例外)と言われているだけあって、高価そうな機材もたくさん目につく。団塊の世代がこれに参入してきているので、特に多くなったのではないだろうか。引退したら旅行に行きたいという人も多いが、ただ旅行だけでは面白くないので、カメラを持って出かける。ということでカメラマンが多くなったとも言える。そして昨今の特徴としておばさんカメラウーマンが増えたことも挙げられる。

 富士山撮影というのは特例かも知れないが、『こだわりカメラマン』が多いようで、大判・中判カメラの比率も高く、フィルムカメラも多い。デジカメ全盛に思える昨今であるが、デジカメはここでは少数派であった。写真業界はまもなくリタイアする団塊の世代をターゲットにすれば、まだしばらく安泰と思われた。

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