戻る コラム一覧 山写真紀行

★★ 野鳥撮影ブーム ★★ 2005年01月23日

 我が家から比較的近い所に、彩湖・道満グリーンパーク、秋が瀬公園がある。最近、これらの公園へ行くと、野鳥観察用の望遠鏡を持った人や、バズーカ砲のようなレンズのカメラを持った人がやたらと多い。

 これらの公園は荒川河川敷にあり、昔から野鳥が豊富で、バードウォッチングで有名な場所である。私も、子供が小さかった頃(25年ほど前)から子連れでよく行っていた。その頃も、ある団体の主催するバードウォッチングの会などが催され、子連れで参加したこともあるが、バードウォッチャーはたまにしか見掛けなかった。それも名前の通り、双眼鏡や望遠鏡で野鳥を見るだけで、写真を撮ることは殆ど無かったように思える。

 ところが最近、休日に自転車で公園を一回りすると、数十人のバードウォッチャーを見掛ける。バードウォッチャーというより、バードフォトグラファーと呼ぶべきだろうか、彼らの殆どがカメラを付けており、撮影を目的にしている。ここの公園でこれだけ増えたということは、日本全国を考えると膨大なバードフォトグラファー人口になる。野鳥に興味を持つ人が増えたと言えば確かに増えたのであろうが、これには別の理由がある。それはデジカメの普及である。デジカメと野鳥の関係のひとつはいわゆる『デジスコ』の普及である。デジカメが生まれたことにより、以前は望遠鏡や双眼鏡で見るだけであったバードウォッチングであったのが、望遠鏡にデジカメを取り付けることにより、野鳥の写真が撮れるようになったのである。以前にも野鳥の写真を撮るには一眼レフカメラに超望遠レンズを付けて撮れたのであるが、以前のフイルムカメラで激しく動き回る野鳥を撮ろうとすると、レンズ代で車1台分、年間のフイルム代やDPE代でもほぼ同じくらいのコストがかかり、庶民にはとても続けられない金のかかる贅沢な趣味であったのだ。これがデジタル一眼レフが使えるようになり、いくらシャッターを切ってもコストがかからなくなった。さらに、デジスコではかっての一眼レフ+超望遠レンズの設備費の1/10ほどで趣味の道具が揃うようになったのである。デジスコが普及し始めたのが2002年頃で、2003年・2004年で爆発的に普及したように思える。

 野鳥への興味は誰もが潜在的に持っていたのであろうが、望遠鏡で見た結果を写真として記録して、メール添付やホームページで他の人にも見せることができるという環境がバードフォトグラファーを増やした最大の理由であろう。
 ちなみに筆者自身もこのブームに乗っかったひとりであることを付け加えておく。

BACK