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★★ 排気ガス規制の結果 ★★ 2005年01月15日

 東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県では、PM(粒子状物質)を規制対象とし、基準に適合しないディーゼル車の指定地域内での運行を禁止する条例を制定し、平成15年10月から施行した。

 施行後1年ちょっと経った。1年前は報道も取り上げて騒いでいたが、最近は○○物産の粒子状物質減少装置に関するデータ偽造事件を報じているだけで、肝心の規制による成果についてはあまり取り上げられなくなっている。
 施行は平成15年10月であったが、装置の取り付けや規制対応車種への切替は半年ほど前から始まって、装置が足りないなどで、半年後くらいまでの約1年間かけて切り替わった。従って、10月1日から急に空気がきれいになったということはなく、徐々に成果が出たようである。
 筆者は自転車通勤で、交通量の多い道路はできるだけ避けているが、途中外環と国道の併設道路を横断し、国道の橋を渡っている。この交通量の多い交差点で信号待ちをしている時、規制の前は交差点の反対側ですらかなり霞んで見えた。また、目の前で黒い煙を浴びせかけられることもあった。これが、最近は交差点での霞みがかなり減ったように思えるし、目に見える黒煙を吐いて走るトラックも殆ど見掛けなくなった。膨大な数の車が大量の排気ガスを出しているので、山の空気のように澄んでいるという表現はできないが、確かに以前よりきれいになっている。

 東京都がこの規制案を出した時に、「無茶だ」とか「どうやって取り締まるんだ」とか色々批判も出たが、結果を見れば『やればやれるものだ』という実感がある。運送業・流通業にとっては大変な負担になった反面、装置メーカーや自動車関連業にとっては特需が生じ、不公正感はあったかも知れないが、県民・市民にとっては極悪環境が改善され健康不安を少しでも取り除けるという本来のメリットがあったわけで、実際ゼンソクなどの呼吸器系の病気は減ったらしい。行政とはこうあるべきだという見本になったのではないか。一方で諫早湾干拓のように、何の役にも立たず、環境を悪化させる事業を裁判で負けても、まだごり押しで完成させようとするアホな行政もあるのだが。時々ではあるが、他県の車で黒煙を出しているのを見掛ける。せっかく、ここまで来たのだから、取締りを緩めず、徹底させていただきたい。

 筆者は『花粉症』である。PMが花粉症の一因であるとの説もある。昨年は症状が軽かったのだが、PMが減ったためではなく、花粉そのものが少なかったためらしい。今年の花粉は特に多いとのこと。今年の症状がひどくなければ、PM減少効果やPM原因説を証明できるのであるが、果たしてどうなるか、そうあって欲しいものである。

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