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★★ 少子化は問題か? ★★ 2004年11月27日

 少子化は問題か?というトピックスがあった。
筆者は元々少子化大歓迎の考え方であり、このトピックスを見て「そうだ、そうだ」とうなづいてしまった。
 年金問題を筆頭に少子化問題が取り上げられ、色々少子化対策が考えられているが、日本の少子化はいっこうに止まらないどころか、予想を上回る勢いで進行している。

 少子化は本当に問題なのだろうか?なるべくしてそうなっているのではないのか。そもそも地球の人口は増え過ぎて、それが基で飢餓問題、領土問題、戦争、環境破壊、など今世界で起きている問題の根本は人口の増え過ぎで起きているのである。日本はどうかというと、やはり人口は多過ぎる。住宅は狭く密集している。通勤はぎゅうぎゅう詰め。行楽地はどこも人人人。道路はいつも渋滞。失業者も多い。おそらく日本の人口は今の半分程度、5000万〜6000万人が適切な人口ではないだろうか。
 人間が増え続けたら、いずれ問題が出ることは、何十年もいや何百年も前から判っていたことである。中国では人口爆発を食い止めるために「一人っ子政策」をやっているではないか。ならば、まもなく自然に人口が減少に転ずるであろう日本は人口対策の優良国家として誉に思うべきである。
 少子化を問題視するのは、あらゆる制度作りにおいて、永遠に増え続けることを前提にしたからである。例えば年金は大勢の若い働く世代が少数の老人世代を養う前提で作られている。これはこの考え方事態が大間違いであったはずである。単純に考えてもこれから老後を迎える団塊の世代を数の少ない世代が養えるはずがない。団塊の世代が働き盛りの内に制度を変更して、自分の老後分を蓄えておくような制度に変えておくべきであったのだ。東大出が多く優秀であった(敢えて過去形)はずのお役人さんがなぜこんな破綻することがわかりきった制度を考えたのか。そして、すぐに足りなくなるのが判っていながら、無駄遣いして減らしてしまったのか。

 国家の政策としては、少子化を防ぐ対策ではなく、少子化に向けた対策、つまり少子化になっても問題が出ないような対策を立てるべきであろう。今後50年で日本の人口を5000万人にするというような、基本政策を立てて、それに対して、各種制度作りを進めたり、人口減少で発生するであろう問題を回避するような政策をどんどん出すべきである。
 人口が減れば、経済も衰退方向に向かうのは当然。5000万人口で安定した経済を目指すべきである。企業も成長し続けるのではなく、同一規模で維持していく形でよいのではないか。当然新製品開発を積極的に行い、成長する企業もあれば、何もできずに倒産していく企業もある。問題が考えられるのは、安定経済になるまでの過程であろう。それまでの間は、まだ増え続けている海外に対する輸出でカバーするようにするなど。それをうまく調整するのが政治である。人口が半分以下になるなら、今のような大きな政府は不要。役人の数も政治家の数も半分以下でよいはずだ。まずこの辺から手をつければ、財政の問題などいちばん大変なところが解決するのであるが、自らの職を無くすようなことを考える役人は皆無であろうからできないのである。強力な権限を持つ指導者が現われて独裁的にやらない限り無理かもしれない。

 最近の選挙では、少子化を食い止める対策を唱える立候補者ばかりで、人口減少順応政策を掲げる立候補者が居ないのはなぜだろうか。世の中の考え方が間違っているのか、それとも筆者の考え方が間違っているのだろうか。

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