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今朝の「寅に翼」では戦後混乱期の浮浪児とスリが採りあげられていた。戦中生まれ筆者の子供時代だ。
衣料品店を始めたばかりの筆者の母親が大阪や京都へ仕入れに行くのによく付いて行ったものである。おそらく小学生未満で電車賃がかからないので連れて行ってくれたようだ。
当時、大阪や神戸には浮浪児があふれていた。筆者実家である明石の田舎でも浮浪児が居た。母は戦前に教師をしていたこともあってか、一度浮浪児を家に連れてきて何か食べさせていたことがあった。詳しいことは覚えていないが、その後筆者とほぼ同年代のその子のために何か世話をしたようである。朝ドラの戦後混乱期そのものであったし、母も朝ドラの主人公のような人生を生き抜いてきたように思う。
青弓社「戦争孤児」土屋敦より一部拝借
スリについては、これも母が大阪の市電の中でスリ被害にあった。当時市電はどこまで乗っても10円という格安の均一料金だったのでよく利用したようだ。満員の市電でかばんを切られて中の財布を掏られたのだ。近くの乗客から「注意してください!」という警告があったそうだが他人事と聞き流していたら自分だったということで、「大丈夫ですか?」と聞かれて調べたら財布が無くなっていたのである。警察に被害届けをしたり、色々やったそうだが戻ってくるわけがない。”しっかり者”の母の失態談でもあった。