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筆者は今年の誕生日で80歳「傘寿」になる。
少し前までは、極めて健康で「自分はまだまだ若いんだ」と思い、電車に乗って優先シートが空いていても座らず立っていたものである。
ところが、75歳の後期高齢者になった途端に身体のあちらこちらに異常が生じ、その原因がガンであることが分かり入院・抗がん剤治療を受けることになった。丁度その頃から新型コロナウイルスが流行し、病院との付き合い方がガラッと変わってしまったのだ。抗がん剤治療中は免疫力が無いため、入院しても、見舞いは一切禁止、通院も電車は使えず、息子に車送迎を頼んだり介護タクシーをお願いした。そんな中メッチャクチャ気を使ってくれた妻が膵臓がんに罹り、あっという間に逝ってしまったのだ。
幸いにも筆者のガンは寛解に至ったのであるが、独り暮らしになってしまったのだ。独り暮らしで最も重要なのは健康である。買い物・炊事・洗濯・掃除・・・総て自分独りでやらなければならないのだ。ところが加齢に伴い身体のあちらこちらに障害が発生するので、それらとの闘いである。独り身になって最初に襲ってきたのが加齢性難聴である。独り身なら人との会話は無いのであまり不自由は無さそうであるが、唯一の娯楽であるテレビの音声が聞き取れなくなったのである。しかし、最近になって殆どの番組で字幕を出せるようになったので、常に字幕を表示してテレビを観ている。息子の勧めで補聴器を作ったが高いばかりであまり人との会話は聞き取れない。しかも難聴は月単位で少しづつ進行しているようである。次に気が付いたのは臭覚である。台所の瓶の中身が何かを確かめるために臭いを嗅いでみたのだが全く分からない。舐めてみて酢だと分かったのだが、臭覚は完全に無くなっているようだ。味覚も少し低下しているように思える。味覚が無くなると食べる楽しみが無くなるので何とかこれ以上衰えないで欲しいものである。
現在、最も真剣に闘っているのが筋肉の衰えサルコペニアである。以前から山歩きなどしていたので筋肉は維持していたのだが、独り身になってからは全くと言っていいほど山には行かなくなってしまった。運動不足は老化に最も悪いのでウォーキングは出来るだけやるように努めている。ところが毎日のようにウォーキングしていても弱い筋肉痛が生じるのである。また風呂上りに腕立て伏せと腹筋を各15回やっているが、いつも15回がやっとという状態である。若かった頃はどんどん回数を増やして行けたのであるが増やせなくなったのだ。運動による筋力増強と加齢による筋力低下のせめぎ合いである。
歳をとっても絶対に罹りたくないのが認知症である。認知症に罹ってしまうと独り暮らしは出来なくなるので老人ホームなど施設に入って介護を受けることになるのでこれだけは絶対に避けたい。このために食べ物に気を付けたり、ウォーキングを続けたり、太陽のタイムラプス動画撮影をしたりと一応の努力はしている。
しかし、老化は避けられないので終活を意識して少しづつでも行うようにしている次第である。