年末の年賀状作成の時期に筆者が使っているプリンターで突然次のようなメッセージが出て使えなくなった。

　「正しく電源が切られなかったため、正常に印刷できない可能性があります。プリントヘッドのチェックをお試しください。電源を切る時はを押し、電源ランプの点滅が終了したことを確認してください。」

　決して電源の切り方を間違ったりしていません。なのに正しく電源が切られなかったと決めつけているのです。そして、ここでOKをタップするとノズルチェック印刷されます。ノズルチェックは正常に印刷されました。ということは印刷機能には問題は無いのです。ところがその後目的の印刷をしようとすると、

「プリンターエラー　000031　電源を入れ直してください。詳しくはマニュアルをご覧ください。」

　前に使っていたプリンターでは「廃インク吸収パッドが限界に達しました。」ということで突然使えなくなってしまった。その交換はメーカーに出すしか方法が無く、何と廃インクタンク交換だけで2万5千円もかかるとのこと、吸収パッドだけキッチンタオルに取り替えても良い感じであるがメーカーはそれを許さなかったのだ。仕方なく近くの家電量販店に走って一番安いプリンターを買ってきたのが現在のプリンターである。価格は1万５千円くらいだった。ところが予備インクセットが7千円くらいしたかな。そんなに高いインクは使えないので、その後は1/4くらいの価格の互換インクを使ってきたのだ。

　すると、インクカートリッジの交換回数が10回くらいになった頃に突然全ノズルが詰まった状態が発生した。つい直前まで正常に印刷しており、インクカートリッジ1個だけを交換したのになぜ全色のノズルが詰まるのか、あり得ないことが起こったのである。そして何度かヘッドクリーニングを繰り返したところようやく全ノズルが正常になった。その時には取り替えたインクカートリッジの残量が2/3程度まで減っていたのだ。当然他の色も減って、何も印刷していないのに別色のインクカートリッジも無くなって交換要求されたのである。どう考えても起こりえないことが起こったのである。考えられたのはプリンターのファームウェアに組み込まれた「非純正インク使用への嫌がらせプログラム」であろう。すべて純正を使っておれば出ないが、非純正インクを使うとその交換回数をしっかり記録しており、要所要所で嫌がらせの現象を出すのであろう。

　廃インク吸収パッドについても、前の機種で使えなくなったので、今度は事前に中をチェックしてみた。ところがこれにもICチップが仕込まれていて、一度外しただけで、使えなくなってしまったのだ。仕方なく純正のメンテナンスボックスなるものを2個セットで買わされたのである。今度は千五百円程度だったので買うことになったのだが、何でここまで厳しくチェックするのだろうかとメーカーの姿勢が疑われたのである。

これまでのいきさつを考えると、今回の問題も仕組まれた意地悪としか思えないのである。プリンターを買い替えざるを得ないようだったので、翌日廃棄するにあたって別の場所で電源を入れたところ、何と溜まっていた文書が印刷されたのである。と、いうことはハードウエアの故障ではなく、正に仕組まれたプロクラムによるようである。その後も使おうとすると「電源を入れ直してください。」等、同様のメッセージが出るが、色々試していると抜け道が見つかり、かなりの手間ではあるが、何とか印刷することは出来たのだ。抜け道があるということは間違いなくハードウエアの故障ではなく、ソフトウエアによる意図的なメッセージなのだ。非純正インクを使い続けると、これらの仕打ちが次第に厳しくなりおそらく近い内に抜け道すら塞がれて完全に使えなくなりそうである。

　このプリンターメーカーは本体を安くして消耗品で稼ぐというひと昔前の間違ったビジネスモデルを通してきたのであるが、ようやくその間違いに気付いたのか昨年からエコタンク方式のランニングコストの安い機種を発売している。今回のファームウエアによる嫌がらせも、こちらに買い替えさせようとする魂胆のようである。筆者も現状抜け道を使って印刷は出来ており、年賀状も出す時期が遅れたが何とか印刷出来たのであるが、非常に面倒なので買い替えを検討している。このようなファームウエアによる意地悪は業界どのメーカーでもやっていそうにも思えるので、メーカーは関係なくランニングコストが安く性能の良いものをじっくり選んで買い替えようと考えている次第である。

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