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★★ 高速道路通行料金は高いねー ★★ 2004年2月6日

 私は関東平野の真ん中に住んでいるため、我が家から、どこか山へ行こうとすると、近い所といっても関越道を使って、赤城山、榛名山、東北道を使って、奥日光、那須、中央道を使って大菩薩、富士山周辺、ということになり、100〜200kmの距離があるため、また我が家が東京外環道のインターに近いという利便性もあって、どこへ行くにも高速を使うことになり、日帰りで行っても、行楽費用は1回で2万円程度になってしまう。そしてこの費用の大半が高速道路代なのである。
 日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団の道路関係四公団は民営化の方向で進んでいますが、推進委員会そのものの意見が分かれたり、提出された「意見書」が無視されたような方向付けがなされたり、と難しい問題を抱えて紛糾しています。紛糾の基には道路建設に関わる業者や地方自治体と繋がった道路族政治家、それと国土交通省や公団等役人の天下り先の確保などなど、さまざまな利権が関わっているのでなかなかうまく収拾できそうもありません。我々国民・道路利用者の立場から考えれば、落ち着くべき形は明確なのですが、利権組の方が強いようで、結局は国民・利用者無視で利権温存の形に決まってしまうのではないかとあきらめの境地の今日この頃です。

 ETC(Electronic Toll Collection System:自動有料道路通行料金支払システム)が道路公団が思うように普及しないのも、我々から見れば当然のことなのだが、「お役所的考え方」の弊害が諸に出ている典型例ではないだろうか。ほとんど利用者メリットの無い状況で、高い装置を買って、面倒くさい手続きまでして導入するユーザーが居る訳はないのである。最近になってようやくETC利用への料金割引が出てきたが、それも色々制限付きであって、月に1,2度使うだけの利用者には判断が微妙なレベルでしかない。誰が見ても明らかに有利な条件をなぜ出せないのだろうと、関係者の頭の構造を疑ってしまうのであるが、頭の良いはずの彼らが出せないのは、ここにも既存の料金制度等の複雑な利権を伴う、表に出せない黒い部分があるようである。

 そもそも、競争経済において、料金というものは、利便性の対価として決められるべきである。移動手段、物流手段として、鉄道を使うか、一般道を使うか、高速道路を使うか、という手段を対比して出されるべきである。東京〜大阪間の料金と所要時間を考えると、
    飛行機:19,740円 2時間48分
    新幹線:13,850円 3時間03分
    高速道:14,500円 6時間26分 (普通車でガソリン代含む、東京IC〜吹田IC、90km/h走行)
    一般道: 3,960円 9時間30分 (普通車でガソリン代のみ、高速より実距離は若干短く、燃費も良い)
 飛行機、新幹線はYahooの路線で検索したもの、高速道は公団のサイトから、一般道は昨年末深夜に実験で走ってみた人のデータを拝借したものです。これを見て明らかなのは、所用時間と料金の関係で、高速道が高くつくということである。高速道の場合、東京駅〜大阪駅だと時間は1時間プラスすべきところである。あと、この他に車の消耗費もかかるし、自分で運転するという労務費もかかるので、無茶苦茶高いということになる。だから、4人で時間がたっぷりある場合以外は高速を使うなんて馬鹿な考えは出来ないのである。例え荷物が多い場合も宅配便で送れば安く送れるので車で高速を使う理由にならない。高速道路の料金決定において「公正妥当主義」を採っていると、公団のサイトで説明されていますが、公団にとって都合の良い理由付けをして計算されているに過ぎない。我々一般利用者から見れば、少なくとも今の半額まで下げるべきと思うのである。

 定年後の老後は、あっちこっち行って見たいが、減らされてしまった年金では、とても高速料金は払えないので、トコトコ一般道を使って燃費の少ない車で移動するしかないようである。おそらく老後の時間だけはたっぷりあるだろうから。一般道を事故を起こさず走れるように、健康と体力はしっかりさせておきたいものである。

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