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★★ タブレット・スマホを使ったクラウドの時代が来る ★★ 2013年12月13日

 久しぶりにコンピューターシステム関連のセミナーに行ってきた。「一番わかりやすい!会社 に効くタブレット・スマホ活用」というタイトルの中小企業向けセミナーである。

 内容的には、タブレット・スマートフォンが一気に普及してきたが、これを会社のシステムに 取り込もうということである。

 
 筆者はこのコラムで2007年12月に「Googleドキュメントを使ってみた」とか2009年12月に「クラウド・コン ピューティング」を取り上げ、これからのコンピューターシステムはクラウドでシンクライアントを使ったものになるだろうと予測していたのがタブレットとかスマートフォンという究極 のシンクライアントの普及で現実化しやすくなったと言えるのだろう。

 同様の環境はノートパソコンでも可能ではあったのであるが、ノートパソコンでは起動が遅いとか、キーボード+マウス操作という操作上の障害があり、なかなか使い切れなかったのである。これがタブレット・スマートフォンでは起動が速いことと、タッチ操作が可能という大きな変化により、使えるようになったのである。パソコンの起動時間の遅さについては当コラム 2001年7月に「パソコンの起動時間は何とかならないの???」 でも述べているように誰もがうんざりしていた事である。それがスマホでは常時起動状態のため使いたい時にすぐ使える。タブレッ トではSSD(Solid State Drive:ハードディスクの代わりにフラッシュメモリーを使用)で数秒で起動する。こうなればいつでも使いたい時にすぐ使えるのだ。仕事の現場ではたとえ1分2分と言っても待ち時間は実に長く感じるものである。それが解決されたことと、キーボードやマウスを使わず画面タッチで操作できるというのは正に大きな変化と言えるだろう。キーボー ドやマウスを使うにはどうしてもテーブルなどが必要であった。ところがタブレットやスマホでは片手で持って、もう一方の手指でタッチするだけの操作である。これは仕事の現場で立っ たまま使えるのである。また当然ながら屋外でも使えるのだ。これは適用範囲が顧客相手の商談だけでなく、田畑の中でも使えるし、飲食店でも一般の店舗でも使えるのだ。このセミナーでも「店舗の中でレジスペースを無くして陳列スペースを増やすことができた」などの事例発 表があった。仕事の相手に見せるのもやり易い。

 ここまで述べると、会社のコンピューターシステムの端末は総てタブレット・スマホに置き換 わってしまいそうだが、実際はそうはいかないのだ。もちろん当セミナーで紹介されたようなうまく運用している事例もあるのだが、現状では、タブレット・スマホはメールチェックや情報共有の範囲に留まっているのが大半のようだ。その理由は文書を作成するにはまだまだキーボードは手放せない。顧客に見せるには画面が小さい。何よりも会社の業務にぴったりのクラウドアプリが見つからないということであろう。クラウドアプリを自前で開発するとなると莫大な資金が必要で、中小企業にはまだまだ手が届かないのだ。ただ、当セミナーのように、ベンダーサイドでは「これからはクラウドの時代だ!」とどこもPRに一生懸命だ。近い将来にはそんな時代になっているのであろう。

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