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★★ 逆走自転車とどうすれ違いますか ★★ 2012年11月16日

 筆者は自転車に乗ることが多いのであるが、道路を逆走してくる自転車と出くわす度にどちらに避けるべきか迷ってしまうのである。

 道路交通法通りであれば、自転車は車両なので当然お互い左に避けるべきであろう。しかし、実際、この逆走自転車が左に避けることは殆ど無いのだ。相手は既に法規違反をして車両なのに道路の右側を走っているのである。そんな自転車が同じ自転車とすれ違う際にだけ法規に従って左に避けることは殆ど期待できないのである。相手の逆走自転車から見れば、左に避けると対向自動車と正面衝突する危険性が高いのである。だから歩行者と同じように右端へ避けようとするのだ。法規に従って道路の左端を走る当方にとって、左に避けようとすれば逆走自転車と正面衝突になるし、右に避ければ、後ろからくる自動車に追突される危険性があるのだ。

 もともとルール違反している逆走自転車と対峙するのだから、ここにルールを考える余地は無い。相手は幼児を乗せた母親であったり、おばあさんであったりで「私は歩行者並みの交通弱者ですよ」と言わんばかりである。結局、周囲全体の状況から判断してどちらに避けるかを決めざるを得ないのである。一番の決め手は逆走している相手がどちらに避けようとしているかの見極めである。相手が右に避けようとしておれば、こちらも右に避けざるを得ない。しかし、右後方から車が来ている可能性が高いので、バックミラーを見るか、右後方を振り向いて確認し、すぐ後ろに車が居なければ右の車道側へ避けるのである。もしも車がすぐ後ろに来ておれば、停止して車が行き過ぎるのを待って右へ避けることになるのだ。車が来ていなければ、逆走自転車でも左に避けることもある。実態はケースバイケースであってルールがどうのこうのと言う余裕は無い。

 数年前までの筆者は法規通りに意固地に左にしか避けなかったこともあったが、逆走する相手の8割方が右に避けようとする傾向を悟り、最近は逆走する自転車とは原則右に避けてすれ違うようにしている。歩道も路側帯も無い道路を自転車で逆走してはいけないのであるが、「逆走する自転車とは右に避けてすれ違う」のが暗黙のルールになってしまっているように思えるのだ。

 自転車が増えて自転車の絡む交通事故も増えているが、自転車通行帯などの整備は遅々として進んでいない。「ルールを守れ」と言われても、真っ正直にルールを守っていたら、逆走自転車との正面衝突事故を起こす危険性が極めて高くなるのである。また、場所によっては「自転車を降りて押して歩きなさい」というルールがあったり、ルール通りだとかなり遠回りさせられたり、と折角の自転車の利便性を損なってしまうようなルールが多いのも現状である。

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