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★★ 買ったパソコンに欠陥 ★★ 2012年04月03日

 筆者は最近ノートパソコンを購入した。それまではWindowsXPのデスクトップパソコンを使ってきたのであるが、既に6年間以上使い続けてきたものであり、そろそろハードウエアとしての平均的寿命を過ぎていつ壊れてもおかしくない状況になっているのである。またOSもWindowsVISTAを経てWindows7の時代に入っており、使い勝手も大分変ってきたし、ハードウエアとしても64ビット時代に突入している。筆者のパソコンの用途は主にホームページ作成や写真の整理編集、WEB検索やメールであり、従来のパソコンでも全く支障は無いのであるが、これ以上遅れると何か時代遅れになりそうな気がしたからである。最大の理由は、当WEBサイト「山写真紀行」を運営していくにあたって、できるだけ見ていただく皆さんの立場を理解してページを提供していくことであり、皆さんがWindows7付属のInternetExplorer9のワイド画面でご覧いただいているのに、作ったページの結果を昔ながらのWindowsXPInternetExplorer8の非ワイド画面だけでチェックしていたのでは駄目であろうとの考えからである。

 そんなことで、現時点での標準的な性能を持つA社の64ビットCPUのノートパソコンをインターネットで購入した。筆者はここ10年以上パソコン関連商品やデジカメ関連商品は総てインターネットで購入している。発注は夜であったので、いつも通り商品は2日後に届いた。ワクワクしながら、開梱し、セットアップしていったのである。インターネット環境は以前使っていた無線LANを使って設定した。各種のセットアップウイザードは以前と比べれば随分進歩しており、画面の指示通りの入力で問題なくできた。

 ところが、2日目にこのパソコンを使っているとき、異常が発生した。ノートパソコンなので操作はマウスではなくタッチパッドを使っていたのであるが、突然このタッチパッドを使ったカーソル(画面の矢印)の動きが異常になったのである。右へ動かそうとしているのに、パッと左へ動いたり、動かそうとしても動かなかったりするのだ。クリックしたいボタンにカーソルを合わせることができなくなってしまった。ハングアップなどパソコンの動きの異常はよくあることなので、再起動すれば治るだろうと、再起動してみたのであるが、再起動しても治らない。「なぬ!」ということで、デスクトップパソコンで使っていたUSBマウスを取り外してこれを使ってみた。マウスでは全く異常なく動くではないか。ということはOSの異常ではない。どうやらハードウエアの問題だ、と判断し、メーカーのサポートデスクに電話を入れた。サポート体制の良いメーカーで、あまり待たされることなく電話は繋がり、状況を説明すると、すぐ理解していただき、「本体を交換します。」ということで、翌々日に新しいノートパソコンが届き、不良パソコンは個人情報を削除、インストールしたアプリケーションはアンインストールして交換で引き取ってもらった。

 タッチパッドの動きの異常があったのはたまたま不良品が当たったためだと思っていたので、新しいノートパソコンをまたセットアップしていった。そしてほぼセットアップを完了した頃、なんと、またタッチパッドカーソルの動きの異常が出たではないか。「なぜだ?」と色々異常発生の状況を探ってみた。 何か環境温度が影響しているようである。20℃程度の暖かい部屋で使っておれば異常は出ない。異常が出たとき、再起動では治らないが、一旦電源OFFにすれば治る。異常発生は使用開始10分程度で出ることもあれば、1時間後に出ることもある。使うアプリケーションによっても変わるようである。

 状況が複雑なため、今度はメールサポートというもので文書でクレームを出した。中1日置いて返信が届いたのであるが、「調べるのでしばらく時間をいただきたい」とのことで約2週間後に返事をするとのことであった。そしてその指定された日に返事は届いたが、まだ調べているので約1ヶ月後に返事するとのことであった。この間、筆者はこの異常が出れば電源をOFFにして立ち上げなおすなどの不便に耐えながら待ったのである。USBマウスを使えば問題はないのであるが、ノートパソコンはこたつに入りながら使ったり、ラップトップ(ひざ上)で使うことが多いので、USBマウスでは使いづらい。やはりタッチパッドは不可欠なのである。ところがその1ヶ月後の回答日にも「まだ解決しない」のでもう1ヶ月待ってほしいとのことである。当方「もう待てません」と伝えたところ、「タッチパッドドライバーを改良したものがあるのでこの改良版を入れた新品と交換します。」と伝えてきた。「それなら」ということで、再度交換してもらったのである。今度こそ、大丈夫だろうと、またまたセットアップし、不良機の個人情報とインストールしたアプリケーションを削除して着払いで返送した。ところが、この3台目のノートパソコンも全く同じタッチパッド異常が出るではないですか。そこで、またメールサポートでどんな状況で異常が発生するかなど、細かく通知したのであるが、回答は再現できないので、また1ヶ月ほど待ってほしいとのことであった。

 何度もやりとりしている内に、どうやらメーカーとしてはこの欠陥を把握しているが、対策は不可の結論が出ているように思えてきた。メーカーで改善する予定が無く、クレームを入れて来たユーザーには回答の引き伸ばしで対応している内に気温が高くなって、問題が出なくなるという作戦であるように思えたのだ。そこで筆者としては最初の購入から5ヶ月で期限を提示し、これを過ぎても対策がとれないなら返品する旨を伝えておいた。案の定、当方提示の期限でも解決策は出て来ず、渋々「返品を受け入れる」との回答が帰ってきた。筆者はまたまた個人情報を削除し、追加したアプリケーションをアンインストールして着払いで返品した次第である。代金は伝えておいた筆者の銀行口座に振り込まれた。

 この後、筆者はネットでよく調べ、ほぼ同じ価格で、ほぼ同じ性能の別メーカーのノートパソコンを購入した。今度はUSBマウスが付属品に含まれていたが、タッチパッドの動きは全く異常なく問題なく使えている。

 問題のあったノートパソコンのメーカーはユーザーサポート体制では評価の高いメーカーであり、筆者もこれまで好意を持っていたのであるが、今回の問題ですっかり好意は無くなってしまった。この問題はおそらく同一機種すべてに出たであろうと思われるが、最近はノートパソコンでもデスクトップパソコンと同じ用途で使われるのが大半で、常時マウスを使うユーザーには問題にはならなかったのであろう。しかし、欠陥のある商品を改善もせず、公表もせず販売を続けるというのはメーカーとしてあってはならないことである。もっとも「こんな欠陥を持つ商品ですが買ってください。」としたら、全く売れなくなり、大量の在庫を抱えることになるので公表できないのであろう。しかし少なくともクレームを入れたユーザーには素直に謝って、返品を受けるなり、USBマウスを代償として提供するなどの手を打つべきであったと思うのである。このメーカーはもうパソコン事業から撤退するつもりかなとも思われた。

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