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★★ 蜂に刺された ★★ 2009年09月04日

 公園の中を自転車で走っていたら、突然左こめかみ辺りに何かがバチッとぶつかったとたんにチクッと強い痛み!反射的に手で払った。蜂に刺されたと直感した。そのまま走りながらとりあえず痛む部分を指でつまんで毒液を搾り出すようにした。腫れてくるだろうなと心配しながら、スズメバチでなければよいが・・・などと心配しながら走っていると何か周りがぼやけて見える。えっ!もう目に来たか!目のすぐ横だからな!と、心配になってきた。が、あれっ、メガネが無い。どうやら手で払った時にメガネも一緒に払い落としたようだ。慌ててUターンして蜂とぶつかった辺りに戻ってみた。あったあった。アスファルトの上にレンズが下で折りたたんだ状態で落ちていた。メガネは助かった。後で洗って調べたらレンズにごく小さい傷は付いたものの支障は無かった。帰宅してすぐ刺された部位を主体に水で洗い、もう一度つまんで搾り出した。ついでに石鹸を使って洗った。「蜂に刺されたら小便をかけろ。蜂毒は蟻酸だからアンモニアで中和されるのだ」と子供の頃教わったので、アルカリ性の石鹸なら中和効果があるかも知れないと、これはスズメバチには効果が無いと判っていたが念のために石鹸も使ってみた。

 結果、刺された場所は赤い点になっているが、殆ど腫れて来なかった。痛みは少し残り、5日後でも押さえると僅かだが痛みを感じる。直後の処置が良かったからか、蜂は攻撃ではなく衝突して驚いて刺しただけのため毒液の注入量が少なかったようである。それにしても、飛んでいて衝突するとはドジな蜂である。静止しているものなら避けられるが、自転車の速度で走っているものは避けられなかったのであろう。昆虫の複眼で見ると、超々広角のパンフォーカスであると言われている。左右の眼が近いので、極近くしか測距できないのであろう。それなのに時速10km/h程のスピードで飛んでいるので、人間で言えば時速300km/h程の超スピード違反で走っているのと同じだ。事故を起こして当然と言えそうだ。

 ちなみに、筆者は山歩きをしたり、野鳥撮影や野草の花撮影をするので、蜂には注意するようにしてきた。子供の頃は蜂の巣にいたずらしたりして何度か刺されたことがある。刺されたのは殆どがアシナガバチでスズメバチには刺されたことが無い。蜂もむやみに人間を攻撃したりしないものである。巣に近づいたり、巣を突付いたり、蜂に危害を加えるような行為をしない限り襲ってくることは無い。公園では危険な場所には「スズメバチに注意」などの注意書きがあるので、そこには近づかなければよいのだ。筆者が野草の花の撮影をしていると、その花にスズメバチが吸蜜にやってきて、目の前50cm程に近づくことがよくあるが、こちらが大きく動かずにおれば、攻撃する気配もみせないし、こちらの存在に気付けばむしろ蜂の方が逃げていくものである。

 スズメバチに刺されて恐いのは、毒がやっかいなタンパク質系の毒で、体が持つ免疫システム(抗原抗体反応)に反応し、人によってはアナフィラキシーショックでショック死を起こす場合があるからで、初めて刺された時よりも、たとえ年数を隔てても2度目に刺された時の方が恐いのである。運悪く刺されてしまったら、毒液の影響を最小限にすべく、筆者が行ったように毒液をできるだけ絞り出し、水で洗い流すことである。スズメバチの毒にはアンモニアは効きません。そしてできるだけ早く病院に行くことです。

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