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★★ 高齢者の呼称 ★★ 2009年06月12日

 今日は平日金曜日であるが仕事は休みとした。今の筆者の仕事の形態はパートタイマーである。年金を満額いただくためには社会保険に加入しなくてもよいというフルタイム就労者の概ね3/4未満の就労時間でないといけないという条件から週に1、2日を休日にするからである。梅雨に入った翌日であるが、晴れた。そこで自転車で公園の中を通って野鳥撮影に出かけた。

 平日でも公園の中は人が多い。土日は駐車場から溢れるほどの人出であるが、平日は駐車場にも適度の空きがあるという公園としては適度な人出ということである。その人達というと、筆者と類似のリタイア組らしき人達が大半である。筆者と同様にリュックを担いでカメラを持った人も多い。野鳥や野草を撮影に来た人が多いのである。おそらく筆者と同様、仕事をリタイアしたが、家の中で燻ぶっていたのでは、奥さんから邪魔にされたり、運動不足になるので、とにかく天気さえ良ければ運動がてらに出掛けようという人種である。

 ここでこれらの人種を「リタイア組」と表現したが、今どんどん増えているこれらの人種を何と表現するのが相応しいのだろうかとふと疑問に思った。年齢にすれば60〜70歳ということになる。高齢者と呼ぶほど高齢ではない。昔は確かに「高齢者」と呼んでも良かったのであろうが、今の時代では60〜70歳はまだまだ元気で体力もある。もしも定年が70歳ということであれば、何の問題もなく70歳まで働き続けることができるであろう。厚生労働省のお役人は何の配慮もなく「後期高齢者」などと平気で名前を付けているが、企業では結構気にして呼び方を考えているものである。筆者の勤めていた会社では、役職定年を55歳にしており、55歳超の社員の呼称に随分悩んでいたことを思い出した。結局は「シニア」としていたが、「シニアの○○さん」なんて呼ぶと何か失礼な感じがするし、呼ばれた方も嬉しくないため、あいまいになったままで、あまり口に出さず、「○○さん」だけで呼び、総称もずばり「55超」が定着していたものである。

 ネットで調べてみると、この問題を採り上げたサイトがいくつか見つかった。これらによると、呼び方として「高齢者」「お年寄り」「おじいさん・おばあさん」「グランパ・グランマ」「熟年者」「シニア」「老人」「シルバー」「実年」「エルダリー」「エイジド」などたくさん出てくる。そして呼ぶ側の若い人では「高齢者」、呼ばれる側では「熟年者」の人気が高いということのようだ。しかし、ここに出した60〜70歳の年齢層に相応しい呼び方とはとても思えない。

 60〜70歳当事者である筆者の結論としては「区別して呼ぶ必要はない」ということである。自然老化で介護が必要になってはじめて「老人」と呼んでもよいのではないか。元気に動ければ「老人」ではないのだ。従って名前が判っておれば「○○さん」と名前で呼べばよい。名前が判らなければ「おじさん・おばさん」でよいのではなか。総称で呼ぶなら細かく区別しない「中高年」という呼び方がある。強いて区別するなら年齢層で「60・70代の人」でよいのではないだろうか。筆者も孫から「おじいちゃん」と呼ばれても抵抗は無いが、外出先で「ちょっとそこのおじいさん」なんて呼ばれたらかなりの抵抗を感じるだろう。

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