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★★ 地球温暖化防止には牛肉は食うな だとさ ★★ 2008年03月16日

 「飼料効率」という数字があって、牛は体重を1キログラム増やすのに約10〜11キログラムの飼料を必要とするので、飼料効率は10%。豚は25〜33%、ブロイラーは46%だというから、牛は大食いで飼料効率が悪い。だから、牛肉の代わりにその飼料になっているトウモロコシなどの穀物を人間が食べれば、90%の穀物が余ることになる。これをバイオ燃料の原料に当てればかなり炭酸ガス削減効果があるとのこと。さらに牛は大量のメタンガスをゲップとして出すらしい。人間が牛肉を食べるのを止めれば、牛の数も減り、ゲップで出されるメタンガスの量も減って地球温暖化に貢献するらしい。

 これだけ地球温暖化が騒がれると、いろんな対策案が出てくるものである。中には到底実現しそうにもない奇案・珍案も出てくる。牛を食うなというのもそのひとつであろう。牛肉ばかり食っているアメリカ人が受け入れるはずがない。アメリカ人は日本人に鯨肉を食うなと言って食えなくした。そのアメリカ人に牛肉を止めて鯨肉を食えと言ったらどんな顔をするだろうか、いちど見てみたいものだ。

 ところが、日本人は食にものすごく柔軟な民族のように思える。もともと周囲が海で魚介類を食べることが多かった民族であるが、米作をするようになって米が主食になった。それが明治の文明開化以来、肉も食べるようになり、欧米並みに牛肉を食べるようになってしまった。我が家ではBSE問題発生以降殆ど牛肉は食っていない。肉と言えば豚か鶏である。カレーやシチューにも豚肉が入っている。それで耐えられないかというと充分耐えられているから面白い。肉の代わりに大豆やトウモロコシを食えと言われれば、肉の代用で豆腐ステーキーでもOKということになる。どうやら日本人なら地球温暖化防止のために「牛肉を食うな」と言われれば、それなりに工夫して食わずに済ませられそうである。

 アメリカ人というのは、美食家ではなさそうなのに、どうも牛を食うことに拘るようである。保守的な考えが強いのであろう。その保守的な考えをどこまでも通そうとするようで、京都議定書にも調印せず、石油がぶ飲みの生活を変えようとしない。牛は殺しても鯨は殺すなと言う主張は絶対変えそうもない。我々からみれば変な国民性だ。

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