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★★ 自分のパソコンは安全か? ★★ 2008年02月23日

 我々の日常生活で、もはやインターネットなしでは成り立たなくなっている。何か判らないことがあればネットで調べるという習慣が根付いている。何か買い物をする時も、ちょっと高額の物なら事前に価格を調べたり、メーカーや仕様を比較して機種選択したりする。こんな状況下でインターネット利用におけるセキュリティの問題がよく採り上げられており、自分のパソコンが本当に安全かどうか不安になることもある。「ボットの脅威」などパソコンのセキュリティーに関するコラムを偉そうに書いている筆者であるが、「ではおまえのパソコンは絶対安全なのか?」と言われると返答に困る。「大丈夫ですよ」と言える確信は無いし、証明できないのだ。

 今では、悪人側の悪の技術レベルもどんどん向上しており、かつてのようなデータを破壊したり、派手な画面表示をするウイルスは対策ソフトで殆ど抑えられているのに対し、最近はできるだけパソコン所有者に気付かれないよう、対策ソフトにも見つからないようにしてデータを盗んだり、サーバーの攻撃をさせたりするのである。筆者の自宅のような小さなウサギ小屋ならネズミ1匹でも侵入すればわかるのであるが、今のパソコンは一山を庭に持つ大邸宅のようなもので、人が一人や二人侵入していても気が付かないものである。

 ある既知の特定のボットやウイルスに感染している場合には感染しているということを証明する手段はあるが、逆に100%何の感染もないということを証明する手段は無いというのが現状である。メモリーに常駐するプログラムは通常の使い方でも50〜100個存在する。これはWindowsXPならCtrl+Alt+Delキーを押してタスクマネージャを出し、プロセスに表示されるプログラム名であるが、名前を見て判るのは数個しかない。知らない間にどんどん増えているものである。総てを調べ上げて、問題の無いプログラムばかりだと証明できればよいのであるが、これは専門家でも難しい。

 Windowsの自動更新をしており、ウイルス対策ソフトも導入し、最新のアップデートを適用し、迷惑メールは即削除し、このURLはクリックしていないし、検索する場合も名前の通った安全なサイトしか見ていない。とは言っても、パソコンを使うのは自分だけではない。家内も時々ネット検索に使っている。そんな時に変なサイトがヒットされ、ボタンクリックの要求に応じて押していないとは言い切れない。あまりよく知らない人は訳が判らなくなると、何でもOKボタンをクリックしたり、あるいは逆に何でもキャンセルボタンをクリックしたりしてしまうものである。悪のサイトはOKでもキャンセルでもとにかくボタンをクリックさせてウイルス送り込みのトリガーにしているのだ。送り込んだ後は差し障りのない画面を表示するので、使っている方は何も無かったかのように思うのである。

 一旦ボットなどに入り込まれると、対策ソフトの対象になっているようなウイルスなら検出されて駆除されるが、出たばかりのウイルスであったり、あまり広まっていないマイナーなウイルスだと、殆ど気付かないものである。時々使っていないのにパソコンが動いているということもあるが、これは正常なWindowsでもやることなのでこれでは判定できない。突然出してもいないメールのあて先がないというメールが大量に届けば、自分の発信アドレスで迷惑メールが発信されたと断定はできる。しかし、最近の迷惑メールはたとえボットを使っていても発信者を偽装するので、あて先がないというメールもあて先がないままどこかで消滅する運命になっている。

自分のパソコンが安全であろうというよりどころは、

1.常識的な安全対策を採り、適切に運用している。
 ・Windowsの自動更新を適用していること。
 ・ウイルス対策ソフトを導入し、最新のアップデートを適用していること。
 ・IE(インターネットエクスプローラ)の設定は中の上以上になっていること。
2.危険な行為はしていない。
 ・いかがわしい、危険そうなサイトは一切閲覧していないこと。
 ・ダウンロードやActiveXなどに対する警告が出た場合に、安全を充分確認したもののみ許可していること。
 ・家族にも警告画面への対処方法を具体的に説明していること。

 一応、これだけである。これだけの対策を採っておれば、通常知らない間にボットウイルスが入り込むことはないはずである。ただし、100%安全とは言えず、99.9%程度であろう。運が悪いと、これでも侵入されることはあるのだ。 何か変だ!と感じるところがあれば、大変な作業にはなるが、パソコンを一旦フォーマットして再導入するのがよいだろう。

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