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★★ 通勤径路の謎 犬の糞 ★★ 2008年01月26日

 我が自転車通勤径路の一部100m程の間に毎日のように犬の糞がころがっている。2,3センチ大の糞が2〜5mの間隔で数個ころがっているのである。ほぼ毎日新しい糞がころがる。前日の糞は踏まれてペッタンコ状態、数日前の糞は排水性カラー舗装の粗い隙間を埋めたようになっている。それより前の糞は弁柄色のカラー舗装に5センチ大の土色のシミ状に残っている。もっと前の糞は雨で流されたり、埃になって風に飛ばされて無くなるのだろう。だからこの一画の歩道はほぼ1週間分の犬の糞の跡が散在しているのである。

 この状態、不潔といえば不潔であるし、もしもその犬が病気を持っていたら危険でもある。糞を踏まされた人はさぞ嫌な思いをしているであろう。当の筆者は自転車なので自転車の車輪で踏んでもあまり嫌悪感は無いが、直後にパンクでもしようものならタイヤを洗ってからでないとパンク修理作業ができないであろう。

 この状態はどう考えても「異常」であり「謎」でもある。犬の散歩では糞の始末をするのが愛犬家のマナーであり常識でもある。毎朝ほぼ決まった時間に新しい糞がころがっていることから、野犬の仕業ではなく、飼い犬が朝の散歩途中にやらかしたものであるのは明らかである。そして数mの間隔で散らばっているのはどういうことなのだろうか。普通、犬は立ち止まって糞をするものである。ならば1箇所にまとまってころがるはずである。誰かが蹴飛ばして散らかしたようには見えない。最初の排泄時点から離れてころがっているのである。これはなぜかという「謎」であった。犬の散歩で犬がウンチをしたがったら飼い主は止まってやって終わったら始末をするものである。それを始末どころかウンチの最中もぐいぐい引張って愛犬を引きずっているのであろうか。糞の始末をしたくないので、人に見られても「ウンチをしているのに気が付きませんでした」としらばっくれるために立ち止まってやらないのだろうか。それなら愛犬家どころか犬を虐待しているのではないか。でも虐待するくらいなら、始めから散歩に連れていくわけはない。それともこの犬は歩きながらウンチができる「特殊技能」の持ち主なのだろうか。でもこんな「特殊技能」は訓練しなくてはできない。飼い主は糞の後始末をしたくないためにこんな「特殊訓練」をしたのであろうか。????数ヶ月間は「謎」のままでここを通る度にいろいろ考えさせられたのである。

 ところが、ついにこの「謎」が解けた。というより犯行現場を目撃したわけではなく、あくまで「推定」であるので、説明付けのヒントを得たというのが正確なところである。ある日この糞ころがりの同じ場所で犬の散歩をさせている人を見かけたのである。その人は推定50代のおっさん、犬は茶色の中型犬で糞の大きさと合う。自転車で犬を散歩させていた。糞処理用のポリ袋など持っていないようだ。それも犬の様子を見ながら走るのではなく、犬のリードロープをハンドルと一緒に持ち漫然とマイペースで走っていた。「直感」で「こいつだ」と思った。なるほど、こんな状態で散歩させられていたら、犬君もウンチで立ち止まれないわけだ。止まろうとしても自転車で引っ張られていて、犬君の状態も見てくれないので全く止まれないのだ。仕方なく走りながらの排泄になる。毎日のようにこの状態なら、「走りながらのウンチ」という「特殊技能」も身につくであろう。現場を押さえたわけではないので「逮捕」も「警告」もできないが、犯人はほぼこの「おっさん」に間違いないだろう。

 糞の始末をしたくないなら、始めっから犬なんて飼うな!と言いたい。筆者も犬や猫は好きであるが、糞の始末が嫌であり、家において外出できないので飼いたくても飼っていない。当の犬君がどう思っているかわからないが、やっぱり一種の虐待ではないか。

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