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★★ 出生の男女比 ★★ 2008年01月20日

 筆者に3人目の孫が生まれそうだ。どうやら女の子らしい。ということは孫3人とも女の子になる。最近聞く甥や姪の子供も女の子が圧倒的に多い。あまりにも女の子に偏っているので、環境ホルモンとか何かの影響で出生男女比が変ってきているのではないかと心配になってきた。 

 ネットで調べてみたところ、同じような心配をしている記事もたくさん見つかった。逆に男の子が多いという記事もあり、世の中全体では均衡がとれているのかも知れない。一般的に男女比は女100に対して男が何人になるかの比で表され、通常は105で男の方が若干多いものであり、大昔から変ってないらしい。直近のデータでも105程度であり、はっきりとした変化傾向は見られない。なぜ男の方が多いかというと、男の子の方が弱くて育ちにくく成長の途中で死亡する確率が高いためであり、成人の男女比はほぼ同じになるような自然の摂理になっているようである。ところが、医療の進歩で幼児子供の死亡率が減少したため、成人の男女比は約105のままになっている現状のようである。確かに筆者の小学校、中学校時代では同学年で男の方が多かった。現在もそうであろう。これが日本人全体で見た場合、女性の方が長生きするので、50歳位から女性の方が多くなり、日本人全体の男女構成比は95程度で女性が多くなっている。(平成17年度国勢調査結果を参考にした) 

 ところが、最近の動向でいくつかの変化が見られるようである。日本では男児の胎児死が増加しているとか、日米では男女比低下の傾向が見られるとの報告があり、男児出生の確率が僅か(男女比で−0.1)ではあるが低下しているとのこと。これは単なるデータのブレなのか、環境ホルモンなどの影響によるものか、自然の摂理で男女比を100に近づけようとしているためなのかは判らない。日本では女の子の方が親の面倒を看てくれるなどから女の子を望む傾向があるようである。これとは逆に中国などアジア諸国では女の子は中絶により人為的に減らしているらしく出生比が120以上になってしまい問題視されている。 

 理論上は性染色体で男女が決められXXは女XYは男となる。男女を決めるのは精子側であって、減数分裂して精子が作られる段階ではXとY染色体を持つ精子の数は完全に1:1のはずである。ところが精子になってから受精に至るまでの過程で、X・Y染色体で若干の特性の差があり、これが条件の違いでどちらかが有利に受精に至るということになる。自然のままでは男の子が多く生まれるのはこの影響であろう。従ってこの条件が変れば出生男女比も変る可能性がある。昔から言われる親の食べ物などによる男女の産み分けというのもある程度は理にかなったことかもしれない。しかし、食べ物だけで変るとは言えない。肉食主体の国でも菜食主体の国でも男女比は変っていない。何か別の要素とか複合要素があるのであろう。 

 筆者の4人兄弟の子すなわち甥姪の男女比は上2人の子5人はすべて女、そして下2人の子は4人が男1人が女であり、男か女に偏っており、男が生まれやすい環境、女が生まれやすい環境が存在していたと言えそうである。我が兄弟では66で圧倒的に女性が多く、その甥や姪の子供においては現状では33で著しく女性化傾向が進んでいる。どうやら男女比は一夫婦ではどちらかに偏ることはあるものの、世の中全体では昔からの一定の比率が保たれているようである。我が家系では昔ならお家断絶になるところであろうが、今では結婚時にどちらの苗字でも選べるし、女の子の方が親子の結びつきが強いのでこだわることもないだろう。世の中全体で均衡がとれることが一番である。

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