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★★ VISTAは必要か ★★ 2007年12月28日

「2007年最大の期待外れ技術」は『Vista』――『PC World』の番付2007年12月21日となっていた。
筆者も納得する結果である。

 パソコンの標準OSになっているマイクロソフト社のWindowsであるが、今年はじめにVISTAが発売されたものの、まだあまり普及していないようである。理由は従来のWindowsXPとの互換性が不足すること。すなわち、WindowsXPで使ってきたソフトがそのままではVISTAで使えないことが多いらしい。特に周辺機器を動かすドライバー類はVISTA用に取り替えないと周辺機器がうまく動かない。ところが周辺機器メーカー側でVISTA対応版の開発が遅れたということもあるようだ。

 さらに、VISTAは巨大化し、メモリー1GBでも足りないらしい。それだけ巨大化しただけのメリットはあるのかというと、画面外見や動き方が変った程度で、実用性からみて、パソコンとして最もよく使うのはインターネットであるが、これはそんなに変るものではない。メールの読み書きも画面レイアウトが変っただけで、使い易くなったかどうか?慣れた使い方ができなくなって却って使いづらくなったとも言える。

 文書を書いたり読んだりするOFFICEソフトも既に完成域にあっただけに機能が増えるといってもそれはお節介な機能が増えるだけである。一体何のためのOSやオフィスソフトの巨大化であろうか。全く不要なバージョンアップではないだろうか。

 VISTAはデュアルコア対応や64ビット対応などハードの高性能化に対応しているが、この恩恵を受けるのはそのような高性能なハードウエアを駆使する使い方に対してだけである。高性能なハードウエアを駆使するのは最新のゲームであったり、サーバーである。

 今のソフトウエアの傾向はWEBソフト化である。WEBソフト化とは企業でも家庭でも、パソコンで使うソフトはブラウザーさえあれば良いということで、何でもブラウザーを通じてソフトが使える方向に進んでいるのである。パソコン自体にソフトをインストールしなくてもWEBアプリケーションで文書を書いたり、表計算をしたりできるようになってきているのである。写真の保存や編集もWEBでできるのである。そうなれば、何も高価で馬鹿でかいWindowsVISTAなんか使わなくても、無償のLinuxで充分ということになる。Officeソフトを買う必要もなくなってくる。パソコンはいわゆるシンクライアントで充分ということになってきているのである。

 では今すぐにWindowをやめてLinuxに替えられるかというと、まだまだ環境は整っていない。メールとホームページを見るだけならOKであるが、パソコンの使用環境はプリンタやデジカメなど周辺機器との関係がある。デジカメに付属してくるドライバーや写真編集などの関連ソフトはWindows対応である。Macすら対応していないというのもあるくらいだから、Linux対応はまだまだ少ない。

 従って当面はWindowsXPのまま使い続けて、XPへのサポートが終了する頃の状況でその先をどうするか判断するしかないのだ。

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