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★★ パソコンは家電製品 ★★ 2007年12月21日
パソコンの普及は著しく、今ではお年寄りも小学生も使うようになった。テレビ同様の家電製品と言っても過言ではない時代になった。テレビと違うところは、キーボードのキーの数がテレビのリモコンよりも多いことと、マウスが付いている程度ではないだろうか。
今のパソコンはテレビとして使うこともできるので、「テレビ」のアイコンをクリックすれば、テレビが映る。インターネットのウエブ(ホームページ)のお気に入り登録済みを見たり、届いたメールを読むだけなら、キーボードは不要でポインティングデバイス(マウス)だけで使える。キーボードを使うのは検索キーを入力したり、メールを書いたりする時だけである。普通に使うだけなら、本当に家電製品として、お年寄りでも小学生でも使えるようになり、それなりに役立っている。
新しいテレビを買ってきた場合、電源コードを差込み、アンテナ線を繋げば映る。リモコンの数字キーでチャンネルを変えるだけでとりあえずの家電としての機能は発揮する。地上波デジタルの場合はカードを差し込むという余計なものが付いてきたが、まあこんな程度なので誰でもできる。パソコンの場合、ノートパソコンなら電源コードを差込み、インターネット用のLANケーブルを繋げば使える・・・はずである。ところがどっこい、新しいパソコンの場合はこれだけでは何等かの画面表示は出るであろうが、使えない。画面には「○○ウイザード」とかいう意味不明のカタカナのウインドウが開いて設定の要求をされる。実際に入力するのは、パソコンの使用者名、プロバイダーへの接続用のIPアドレスとID・パスワード、メールサーバー名、メールアドレス・パスワード程度であるが、入力必須の項目と必要ない項目があり、使用条件により入力項目が変る。項目名が変な日本語であったり、あまりよく聞かないカタカナであったりで意味が判らないものである。パソコンの販売店やプロバイダーにセットアップをお願いできるが、有償であってかなり高額(1万円プラスαプラス交通費)である。ここのプラスαも曲者で、プロバイダー契約時の書類がきちんと整理されておればよいが、紛失していたりするとIPアドレスがわからないので、プロバイダーに聞く必要がある。ところが、プロバイダー側も本人確認なしで教えることができないので、再度郵送するということになれば、出直しということになり料金は倍になってしまう。予めパスワードを考えておけばよいが、そんなものが必要かどうかも判らない人では、「パスワードを入力してください」とかいわれても、そこで考え始めたらまた時間がかかる。標準時間を超過すると超過料金がかかる。
本当に大変である。家電製品化したのに、なぜこんなに大変なのか、携帯電話なら購入時にセットアップ済みであるのに、なぜパソコンだけこんなに複雑なのか。これはOSの供給元であるマイクロソフトが、独占市場をよいことにユーザー無視しているためであると断言したい。本気でユーザーのことを考えてOSを作っておればバカチョンでも使えるようになるはずであるが、「使いたければ、勉強してこい」といった姿勢がまだまだ強いためである。今現在のバージョンで誰もが満足できるものを出してしまったら、次のバージョンが売れなくなって事業継続ができなくなるため、重要な要素は先のバージョンにするというように小出しにしているのである。
家庭でパソコンを使う場合にインターネット抜きでは有り得ない。プロバイダー契約する際にパソコン設定に必要なデータはUSBメモリーに入れてもらい、新しいパソコンのセットアップ時に差し込んでおけば入力なしにすべて自動セットアップすることも可能なはずである。先日ある記事で読んだのであるが、Windowsのカーネル部分はほんの数秒で起動でき、必要なメモリーも数十MBあればいいらしい。それなのに、滅多に使わないお節介機能まで組み込んで一気に読み込ませようとするので、起動に2〜3分もかかってしまうのである。起動はカーネルとデスクトップだけでよいのではないだろうか。メールを読む時に初めてインターネット接続しメールソフトだけを起動すればよいのである。関係のないスケジュール管理などはスケジュールを見たい時にのみ起動すればよい。いわゆる常駐プログラムは本当に必要な最低限でよいはず、最低限とはトリガープログラムだけを常駐させ、必要になった時だけ本プログラムを読み込めばよいのである。大昔のフロッピーディスケットからOSを読み込んだ時代の考え方を踏襲しているとしか思えないのである。
家庭でのパソコン利用は電源ONから数秒でインターネットを見たり、メールが使えたりでき、終わったら瞬時に電源OFFになるべきである。大体終わるのにも時間がかかるのも常識はずれである。巨大化したレジストリ全体を読み込んだり書き戻したり、バックアップをとったりしているようだが、なぜレジストリをデータベース化して必要な部分だけ読み書きするようにしないのかも疑問である。インターネットやメールは携帯電話の主要機能となっているが、携帯電話の起動時間は数秒である。ハードウエア的には充分可能なレベルになっているのに、不要な余計な機能を増やしてメモリーを独り占めして動きを遅くしているOSつくりの考え方には辟易するばかりである。
家電パソコンOSというのを家電メーカー自身が開発してもよいのではないだろうか。