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★★ 団塊の世代大量退職の年 ★★ 2007年08月25日

 今年は団塊の世代大量退職の年である。もう半年以上経ってしまった。この年に対して、数年前から「2007年問題」と称して色々危ぶむ声が出ていた。「企業の技術・技能の継承断絶」「退職給付の負担増による企業収益の低下」「社会保障関係費の増大」などがそれであるが半年経った経過はどうか。

 「企業の技術・技能の継承断絶」については特にコンピュータ関係において危ぶまれていた。しかし、実際はどうかというと、本当に実力のあるシステムエンジニアはとっくの昔の何年も前に管理職とか取締役に昇進しており、定年間際まで現場のシステムエンジニアのままでいるわけはない。技術・技能の継承は何年も前の昇進の時点で済ませていたということである。「退職給付の負担増による企業収益の低下」については、こんなことをいう人は企業会計を知らない人であり、企業会計では引当金としてとってあったり、確定拠出年金に切り替えたりして毎年定額で拠出しているため、大量退職があっても退職給付だけで収益の低下は有り得ないのである。むしろ、有能な人を安い報酬額で再雇用することにより、人件費の低下で利益が上がるのではないだろうか。「社会保障関係費の増大」については年金の問題であろうが、今はそんなことより社会保険庁のずさんな管理の方が大問題で、そちらの対策費の方が余程問題であろう。大量退職と言っても実際のところ殆どの人は再雇用され、年金をもらうどころか、まだ保険料を払っている側なのである。

 ということは、団塊の世代大量退職の年といっても何の問題も発生していないのである。ではなぜあんなに騒がれたのであろうかということになるが、それはそれで、騒がれたからこそ色々対策が採られて問題が起こらない方向に向かったのだということになる。団塊の世代は強いのである。人数が多いだけに生まれた時から生存競争で揉まれてきた世代である。おそらくこれから先も高齢化社会に向かっても逞しく生きていくことになるであろう。政治家に団塊の世代が占める割合も高くなっているようで、何か拍手を浴びるような政策が出てくることに期待する。

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