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★★ ネジバナ ★★ 2007年06月27日

 筆者がネジバナを初めて見たのは榛名山のゆうすげの道であった。ちょうどデジカメの被写体ターゲットを山野草に定めて図鑑化しようと、撮り歩き始めた頃であった。それまでは山歩きしても、ミズバショウとかニッコウキスゲなど余程有名な花でないと着目もしていなかったのであるが、写真を撮り始めてからは、歩きながらもいつもキョロキョロし、何か色の付いたものを見つけると花ではないかと近寄って見定めるようになったのである。ネジバナを見つけた時も、花そのものは目立たず数輪咲いていただけであったのであるが、「お!面白い咲き方をする花だな」と感心し、後でその名前が「ネジバナ」と知って「なるほど」と納得したのである。

 この花はラン科の花であるが、全く変った咲き方をし、茎が縄のようにくるくる捩れており、ピンク色の小さな花がこれまた螺旋状に咲くのである。なぜねじるのか、捩れた方が何か花にとって有利なことがあるのかという疑問が沸くのであるが、捩れの理由として考えられるのは螺旋状に花が咲けば、周囲のどこからも花が見えるので、虫を呼び易いということが考えられる。また、片側だけに花を付けたら重量バランスがとれないからという説もある。一般的にラン科の花は虫を意識した変わった形が多いのでこれも虫対策ではないかと勝手に想像している。

 最初に見たのが山だったので、高山植物だと思っていたのであるが、その後、自宅近くの公園でも見つけ、平地でも咲く花だと判った。

 丁度この時期、筆者の通勤経路の荒川土手にもかなりたくさん咲いているところがあり、毎日楽しんでいるが、花が終わるまで草刈が入らないことを願っている。

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