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★★ ラジオのデジタル化 ★★ 2007年05月19日

 地上波デジタルと言えばテレビである。既に本放送がなされており、2011年には従来のアナログ放送は終了し、アナログテレビ受信機では変換機を通さない限り見ることが出来なくなる。

 では、ラジオはどうなるのか?と誰しも疑問に思うであろうがラジオについては、まだ殆ど騒がれていない。ラジオもデジタル化される予定であり、一部に試験放送も開始されている。しかし、本放送は2011年のテレビのアナログ放送終了後の予定であり、空いたアナログテレビの周波数帯をラジオのデジタル放送に充てようと計画されているのである。しかし、ラジオの場合は現在放送されているアナログ放送は無くならないのである。なぜかというと、災害などの場合の重要な報道手段であるから、手持ちの携帯ラジオなどが使えなくなっては困るということのようである。すなわちラジオのデジタル化については新しく加わるということのようである。

 従来のアナログラジオは無くならないので、騒ぐ必要もない。新しく加えられるデジタルラジオは聴きたい人が聴けば良いということのようである。

 ラジオがデジタル化されるとどう変わるのかというと、雑音が無くなり、CDを聴くのと同じ音質でラジオが聴けるということであり、更にはデータ放送や静止画や簡単な動画も付けられるとのことであり、現在既に放送されているワンセグと似たものになるらしい。ワンセグ放送は地上波デジタルテレビと同じ番組でないといけない規制があるので、ワンセグの音だけを聴いたのでは内容がわからない面もある。しかしデジタルラジオでは基本的には音声だけで伝えられるようになるので、映像は視なくても放送内容は充分伝わるようになるのである。

 デジタルラジオ受信機はどうなっているのかというと、携帯電話に機能追加されるというのが大半のようである。基本はワンセグと同じであるので、ワンセグが見られる携帯電話機ではデジタルラジオも聴け、画像やデータも見られるということになるようである。

 このように、携帯電話機でワンセグとデジタルラジオのどちらも視聴できるということになると、お互い視聴者の奪い合いが起こるのは当然であろう。どちらもNHKは別として、広告で稼ぐのであるから、視聴者が減れば死活問題である。そこで管轄する総務省はワンセグはあくまで固定式テレビと同じ番組しか放送させないとして、住み分けさせようとしているのである。通勤や車運転で聴くだけならデジタルラジオ、画面も視れるならワンセグといったところであろうか。

 しかし、音質がCD並みに良くなると、ラジオから録音すればもうCDは要らなくなるということになり、またもや音楽業界がなんだかんだと言ってきそうな気配がする。当然デジタルテレビの映像と同様、1回しかコピーできないような仕組みを入れるのであろうが、「著作権のある曲を放送する時は途中で止めるか、必ず間にナレーションを入れろ」なんてこと言わないでもらいたい。時代の流れでコピー(あくまで個人使用)されて廃れる業界なら廃れてしまえばよい。視聴者が本当に必要とするミュージシャンや関係業者だけが残ればそれで良いのではないだろうか。彼らはライブコンサートやテレビ出演で充分過ぎるくらい稼いでいるではないか。

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