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★★ 新画像フォーマット「HD Photo」 ★★ 2007年04月07日

 米Microsoftは2007年3月8日(現地時間)、高画質・高効率な新画像フォーマット「HD Photo」を正式に発表した。以前はWindows Media Photoという名称で呼ばれていたものを2006年11月に「HD Photo」と改名したもの。そしてWindowsの最新OSであるVistaには組み込んであるとのことである。

 画像フォーマットというのは写真などを保存する際のファイル形式のことであるが、既に「JPEG」が広く普及し、デジカメ、パソコン、インターネット、画像処理ソフトで採用されている。

  「HD Photo」は情報の損失を抑えながら、JPEGに比べて最大2倍の圧縮効率を実現しているのが特徴の1つ。言い換えれば同じ画質なら半分のファイルサイズになるということである。また、RAWと同様にイメージセンサーの捉えた総ての情報を保存し、ディーテールを損なわない再現性や高度の露出補正や色合いの調整も行えるのも特徴とのこと。

 現在広く普及している「JPEG」では非可逆性の圧縮であるとか、諸ノイズによる再現性の悪さなど不満を持つ写真愛好家も多いのは確かである。「JPEG」に不満を持つ写真愛好家は既にイメージセンサーの捉えた総ての情報を未加工のまま保存する「RAW」フォーマットを使っている。「RAW」フォーマットはファイルサイズが大きく、またカメラごとに異なるという不便さもあるが、標準化の動きもあり、定着化しようとしているのも事実である。

 確かに「HD Photo」は「JPEG」より優れているようである。しかし、そうは言ってもすぐにも取って代わるかどうかは別問題で、「JPEG」で普及しきっているデジカメやパソコンで「HD Photo」に置き換えるには相当の年数がかかるであろうし、マイクロソフトに何かを独占しようというような下心があれば無理であろう。

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