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★★ デジタルデバイド ★★ 2003年11月12日

 今、「山写真紀行」の中のこの「コラム」をご覧いただいているあなたは、当然インターネットを通じて当サイトを閲覧いただいているのですが、今や何でもかんでも知りたいと思うことはインターネットで検索すれば山のように出てくるようになり本当に便利になったものです。

 『紅葉の時期なので、今度の土日に何処かへ紅葉狩りに出掛けようか』という時、天気はどうだろうかと思えば、天気予報のサイトで週間天気予報を見ればすぐわかる。どこが見頃かということなら、紅葉見頃情報を見れば何処が見頃かすぐわかる。その場所へ行くにはどのように行けばよいかも、地図検索サイトで場所を確認できるし、地元の自治体のサイトを見れば、交通アクセス方法も出ている。電車で行くなら、路線検索で、電車の時刻、運賃、駅周辺の情報までわかる。宿泊するなら、その地の宿はずらっと出てきて、料金や空室状況もわかり、そのまま予約もできる。文字情報だけでなく、写真や動画もある。紅葉がどの程度かライブカメラで確認もできる。まず判らないことはない。

 これほど便利にインターネットが使えるようになったのは、ブロードバンドで常時接続ができるようになってからである。我が家には1977年からパソコンがあった。そしてインターネットが普及する前のパソコン通信時代から、趣味的にパソコン通信を行っていた。インターネットの時代になっても電話線を使うダイヤルアップ通信であり、いつも時間を気にしながら必要最低限の通信しかしてなかった。それが、ケーブルテレビのブロードバンドでのサービスを使うようになって、いつでも8Mbpsの高速通信が使えるようになったのだ。ダイヤルアップのスピードと比べるとめちゃくちゃ速いのである。800×600ドットの写真一枚を画面に出すのに30秒ほどかかっていたのが殆ど瞬時に出るようになった。

 このようなメリットで、ADSLやケーブルテレビ回線、FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)はものすごい勢いで普及している。ところが、これら通信サービスを受けられない地域がまだまだ日本に多いらしい。先日もある知人から、「おまえのホームページを見てやっているのだが、画面に出すのに時間がかかるし、電話代も高くてたまらん」と言われてしまった。確かにこのサイトは高速回線前提にしてしまったので、ダイヤルアップ回線だと1ページ出すのにかなり時間がかかってしまう。その知人の地域はADSLにできないそうな。ADSLは主要都市では何とかできるが、同じ大都市でも市街地からちょっとはずれると駄目、地方の田舎は駄目、もう一つ進歩の行き過ぎで駄目というのもある。NTTの電話回線が光ファイバーになっている場合である。光ファイバーならFTTHが使えるが高価、安価なADSLが使えない。これらは日本の中における地域間デジタルデバイドである。森総理の時に「IT国家」などと言っておきながら、規制緩和で民間まかせにしたために、儲からない地域は後回しになっているのである。何と皮肉なことでしょう。整備新幹線や高速道路を造るより、通信回線の整備の方がずっと安あがり。通信がうまくいけば、わざわざ新幹線や高速道路を使って現地へ行かなくてもテレビ電話で済むということになるのではないでしょうか。

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