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★★ 自転車事故に遭遇 ★★ 2007年03月03日

 二十年間近く、無事故で自転車通勤を続けてきた筆者であるが、ついに事故に遭遇してしまった。

 事故の状況は次の通りである。

 事故は双方共一方通行規制一車線の小さな交差点で起こった。

 当方は優先道路、相手は一時停止となっている。

 当方は一方通行を逆走する方向に走っていた。自転車は除くとなっているので、自転車での逆走はOKである。

 相手は乗用車。

 双方共ほぼ同時に交差点にさしかかった。

 当方は相手乗用車が来ているので徐行状態までスピードを落とした。当方優先であるが、時々一時停止しない車もいるので、止まれる体制にしていた。

 一旦停止となっているので、相手の乗用車は一時停止した。

 当方は相手の一時停止を確認して交差点を横切ろうとした。

 相手の車の前に差し掛かったところ、相手のエンジンを噴かす音が聞こえ、「な!何だ」と思った途端ガチャン。
ところが相手は直ぐに停止しなかった。「こいつわざと俺をひき殺そうとしているのか」と感じた。ぶつかって1mほど先でようやく止まった。

 当方は倒れたあと少し押された形で、自転車は車の下に入っていた。

 筆者は立ち上がった。

 相手運転手が車から出てきた。筆者以上の老人だった。わざと人をひき殺すような人には見えなかった。

 当方、「止まってくれたんじゃなかったの?」と叫んだ。

 相手運転手は自転車を車の下から引き出した。ハンドルが曲がり、車輪は回転が悪くなっていた。

 「怪我はないですか?」と聞かれ、痛いところはと考えると左足の膝下が痛かった。ズボンをめくると膝下が5×2cmほど赤く擦り剥けた状態、血が流れるほどでは無かった。

 「大丈夫」と言おうとしたが、もし骨に異常があったら大変と思い、言わなかった。

 「病院へ行ってください」と言われたが、とっさではどこに病院があるか思い浮かばない。かと言って救急車を呼ぶほど深刻では無さそうであった。

 相手は現場近くの住人で、近くに救急病院があることを思い出し、「とりあえず車に乗ってください。」と言われ、当方もついさっきその病院の前を走ってきたことを思い出し、その病院へ連れて行ってもらった。

 痛い部位のレントゲンを撮ってもらった結果、骨には異常無しで、擦り剥けた場所にバンドエイドの大型のようなものを貼ってもらって治療は終了。でも「後で痛くなる所が出てきますよ」と医者から言われた。

 相手は「自転車は新しいのを買います」ということで、近くのスーパーへ行き、同じ型(6段変速、自動点灯)の自転車を買い、ちょっとペダルは漕ぎ辛かったが、約3時間遅れで出勤した。

 その夜あたりから少し腰の痛みが出てきて、床に手が着くまで曲げられなくなっていた。病院へ行ってもレントゲンを撮って、「異常なし」と言われそうな感じであり、家内が以前行ったことのある整体院の予約を取ってくれた。

 整体治療では、腰と首の骨にズレが出ているとのことで、この治療を受けた。その結果、腰は以前と同様に曲がるように回復した。事故時、足で踏ん張ったため、所謂「ぎっくり腰」を起こしたようであった。その他、全く傷の無い場所で痛みと腫れの出た場所があった。

 元々病院嫌いの筆者であり、病院は当日のみ、傷は擦り剥けと打撲だけだったので、以後マキロンを塗って大型バンドエイドを貼る自己治療で済ませてしまった。

 この事故の相手は75歳の高齢者、元大型の運転手で、無事故表彰も受けており、事故は初めてとのこと。今回事故は当方自転車に気付かず発進したようで、直ぐに停止できなかったのは、高齢による注意力と反応速度の低下が原因であったようである。

 一応、怪我は軽く、誠意をもって対応してくれたので、警察には届けず、病院の治療代、自転車代、整体治療代(これは事故当日、相手が休業保障分として出した金であるが、当方は以後の通院費等万一の保証として預かる形で受取っていたもの)は相手持ちとして、示談書も交わすことなく収めてしまった。

 事故は一方的に相手の責任であったが、収支として、ちょっと痛い目にあったこと、治療のために余分な時間を費やしたこと、入浴時傷口保護に苦心したこと、2日間ほど階段の上り下りが不自由であったことが自転車が新しくなったことと吊りあうかどうかであるが、釣りあうわけは無い。相手は慰謝料など話を出してきたが、事故で儲けるようなことはしたくないので断った。

 その後も自転車通勤を続けているが、やはり事故がトラウマとなり、脇道から車が出てこようとしている時、相手がこちらを認識しているかどうか運転手の目を見て確認するようになった。時々運転席の窓まで黒っぽいシートを貼っている違法車があるが、こんな車の前を横切るのはものすごく恐怖を感じてしまう。

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