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★★ 2007年問題は発生するか ★★ 2007年01月09日

 2007年問題が採りあげられてから久しいがついにその2007年に突入した。さあ、果たして問題が出るのかどうかである。

 2000年問題の時に筆者もまあ『念のため』とペットボトルの水を買い込んだりしたが、実際には社会問題となるような問題は何も起きなかった。確かに年月日の関わるバグからコンピュータにエラーが発生する問題はいくつか発生したが、重要なシステムについては事前に充分過ぎるくらいの対策を採っていたので何の問題もなくやり過ごせたものである。2000年問題で騒がれたのは『対策を採りなさいよ』という注意喚起であり、その効果が出たことにより、重大問題は発生しなかったという好結果に終わったものである。

 2007年問題も同様であるが、これは2007年に突入した瞬間に問題が発生するという性格のものではなく、発生するとしてもじわじわとやってくるもので、対策も採りやすい問題である。既に法的には65歳まで定年延長され、嘱託などの形で再雇用する企業も多い。そうなると2007年問題ではなく2012年問題に先送りされたと言っても良さそうである。5年間も猶予期間が延びれば、もう『問題』では無くなってしまうのではないかと思われる。

 そもそも2007年問題というのはコンピュータシステムで、団塊の世代が開発し、運用してきたCOBOLやFORTRANなどの古い言語のシステムを保守できなくなるとの危惧からの問題である。かつてはコンピュータシステムというものは5年間も使えば作り替えるというのが常識であったのが、バブル崩壊で作り替える費用の工面が付かなくなり、仕方なく古い言語のまま保守という形で使い続けざるを得なかったのである。それには古い言語を使いこなした団塊の世代が不可欠であったのである。

 5年間もの猶予期間が与えられ、しかも企業にとっては景気回復とか企業減税でシステム投資への余裕が出てきたのである。そうなれば、最新のシステム環境(例としてJAVA+AJAXなどのWEBシステム)で作り直そうという動きも出るものである。最新のシステム環境となれば、もはや団塊の世代の出番は無くなる。せいぜい要件定義の段階で「こんな要件を入れておいた方がいいよ」とかいった経験を活かしたアドバイス程度であろう。「団塊の世代のシステム技術者自身が新しい言語や新しいシステム環境を使いこなせるように勉強のし直しをしなければもはや世の中に貢献できないぞ」という別な意味の問題になるようである。

 コンピュータシステム2007年問題は上述のようになると思われるが、実際には再雇用されない団塊の世代もどんどん出て来るのは確かなようである。再就職口も無いまま年金の支給されるまでの3〜4年の間に退職金を食い潰さざるを得ないということになり、こちらの問題の方が大きいといえる。

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