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★★ 変ってきたサイバー犯罪 ★★ 2006年11月09日

 サイバー犯罪というと、コンピュータウイルス、スパイウエア、迷惑メール、ワンクリック詐欺、ネットを使った振り込め詐欺、ハッキングなどがある。

 普通の犯罪というものは如何わしい場所に入り込んだり、戸締りを疎(おろそ)かにするなどしない限り滅多に関わることはないものである。ところが、サイバー犯罪に関しては多くの人が魔の手に曝(さら)されており、筆者自身も毎日多くの犯罪の手に曝されている。迷惑メールは毎日何十通も入ってくる。うっかり何かをクリックしてしまうとワンクリック詐欺に引っかかり振り込めというメールやはがきが届いてしまう。実際何通かの振り込めはがきが届いたこともある。メールの中にはウイルス付きの添付ファイルが付いているものもある。スパイウエア駆除ソフトのスキャンをかけると時々スパイウエアらしきものが引っかかり削除している。

 何年か前までのサイバー犯罪は『愉快犯』が殆どであった。ウイルスを使ってパソコン画面に花火を出したり、データを消してしまうというたぐいのものが多く、犯人の技術を誇示するようなものであった。

 ところが最近は金銭目的の犯罪が多くなったようだ。同じ手口のウイルスでも最近のものはトロイの木馬的に入り込んで、キー入力を盗んだり(キーロガー)、銀行口座のパスワードを盗むものや、振り込め詐欺のきっかけを作るものが増えてきたようである。架空請求なら無視してよいのであるが、最近の例では、パソコンの中のデータを勝手に暗号化してしまい、読めるようにするには金を払えというようなものまで出てきたそうである。

 ウイルスやスパイウエアを作ったり、迷惑メールの発信元を偽装したり、詐欺サイトのURLを次々変えていくなど、どれも高度な技術を持ち、経験を積まないとできない犯罪である。技術を持ちながらも働き口が無いIT技術者がサイバー犯罪に手を貸しているというパターンが浮かび上がってくる。不景気がもたらした現象であろうか。それとも犯罪組織が高待遇で技術者を雇用するようになったのであろうか。いずれにしろこれらは日本に限ったことではなく、世界規模でサイバー犯罪が金銭目的に変ってきているらしい。

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