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★★ 却って犯罪を助ける規制 ★★ 2006年06月11 日

 筆者がよく野草の花の撮影にいく公園の一角がこの春過ぎから立ち入り禁止になり、遊歩道の全部の入り口に南京錠のついた鎖がはられた。そこには「入園は○○草の開花期間の7:00〜17:00に限り、それ以外は入園制限する」との意味の看板が併設されていた。ということは、年間で春の2週間ほどしか入園を許可しないということになる。ここには○○草以外にも色んな野草があり、夏〜秋も花を楽しめる場所である。なのになぜ?と疑問が沸いてくるのである。考えられる理由としては、『盗掘』がある。夏場は葦が背丈以上に生えるので見通しが悪くなり、園内で誰が何をしていてもわからなくなるのである。それを良いことに野草を『盗掘』する悪い奴がいるのであろう。

 しかし、『盗掘』の防止のため、入園禁止にして入り口に鎖をはって入園制限して効果があるのだろうか?筆者には盗掘防止にはならず、却って盗掘犯にとって有利になるように思えてならない。もともと見通しの悪い場所である。入り口は鎖一本の制限のため、盗掘犯は容易にまたいだり、くぐって入れるのである。元々悪いことをしようとする犯人に鎖や看板は効果があるわけがない。ところが一般の人は入らなくなるので、犯人は却って人目に付かずに悠々と盗掘できるようになるのではないか。

 これは、公園管理者として、盗掘被害があったが何も対策しないのでは管理義務を果たしたといえない。何かしなければならない。ところが、常時監視するには人手が無いので出来ない。とりあえず入園制限しておけば、対策したことになる。と、安易に考えたことだろうと推測する。しかし、これは対策にはならず盗掘を助けることになるということに気付いて欲しいものである。しかも、本当に公園を利用したい人の犠牲を強いているのである。万引き防止のために、客を店に入れないのと同じで、それでは商売にならないでしょう。公園管理者は市民に公園を楽しんでもらうというサービスの提供が最大の目的であり、公園管理者の飯の種であることを忘れているのでしょう。

 犯罪を防ぐ対策として「・・・してはならない」のような法律を作ったり、規制したりするのは善良な人に悪影響を及ぼすだけであって、犯罪を犯す犯人にとっては却って好都合になるケースが多い。

 暴走族による暴走を防止するために二輪車進入禁止になっている道路がある。そこを通ると便利になる市民には不便を強いて、当の暴走族は平気で進入して暴走を繰り返している。一般車が少ないので却って暴走し易いのである。

 個人情報漏洩防止法もそうだ。善良な一般企業は大変な思いをして莫大な経費を使って漏洩防止策を強いられているのに、不法な出会い系サイトの運営者は、あの手この手で情報を集めて、同業者同士で情報交換し合って、迷惑メールを出し続けているのである。私のメールアドレスはついに外国にまで売り飛ばされたようで、最近英語のスパムメールが増えた。

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