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★★ 迷惑メールを自動削除 ★★ 2006年06月06 日

 筆者のパソコンに届く迷惑メールは毎日40〜50通にものぼる。毎日削除しているが、これだけ多くなると必要なメールとの選り分けが大変で、たまに必要なメールまで削除してしまうことがある。

 何が迷惑メールかとの定義は、受け手が望んでいないのに勝手に送られてきて迷惑と思うメールは皆迷惑メールなのである。そればかりか、うっかり開いて、中のURLをクリックしたら、ワンクリック詐欺などで不当請求が来ることになり、迷惑の範囲を通り越してしまうのである。

 以前の迷惑メールは明らかに迷惑メールと判るようなものであった。差出人名は出鱈目に作ったアルファベット名で、件名も明らかにアダルトサイトへの勧誘と判る内容であったので選り分けて削除するのは容易であった。ところが、最近のものは、あたかも友人からのメールのように偽装しており、間違って開かせるようにしているのだ。差出人は漢字の名前でよく有りそうな名前になっている。件名も普通のメールを装って「こんにちは」とか「先日のお約束の件」などとなっている。同姓同名の知人がおれば、開いて中味を確認せざるを得ないのである。受信トレイのリストを見ただけでは全く見分けがつかない。ひどいものでは本文でもいかがわしいサイトへの勧誘とは判らないものがあり、何だろうとリンク先サイトを開いてしまいそうなものもある。

 これは、迷惑メールを発信する犯人側(明らかに法律違反であるので犯人扱いにする)が迷惑メール対策ソフトなどへの対抗策を採ってきたためである。迷惑メール発信犯は何としても詐欺の仕掛けを組み込んだサイトへ誘導して稼ごうとしているのであって、そのためにメールを開かせてリンクをクリックさせようとしているのである。

 迷惑メール防止策としては、プロバイダー側でも条件登録すれば削除してくれるサービスを持っているし、最近のメールソフトでは条件指定すれば自動削除してくれるようになっている。例えば、MicrosoftOutlookでは[ツール]の中の[仕訳ルールと通知]で設定できる。

 このため犯人側では以前の形態の迷惑メールでは相手に届かなくなったことから、あの手この手で単純な条件設定では選別できないようにしてきたのである。犯人側はプログラムを駆使して違法メールを発信しているITの達人であり、被害者である我々よりは数段上の悪知恵とテクニックを持っている。チャチな迷惑メール対策をしてもすぐにその上をいく回避策を採ってくるのである。

 そこで、筆者も腰を上げて迷惑メール犯と対決してみようと思い立った次第である。

 まず、敵を知るために、毎日大量に入る迷惑メールのデータをエクセルに入れてデータベース化し、その傾向把握を試みた。その結果

1.発信者のメールアドレスはほぼ100%偽装であり、同一犯と思われる発信者でも毎回異なる。ヘッダー情報も偽装されている。従って発信者のメールアドレスは自動削除条件として使えない。
2.件名に迷惑メールと判る内容のものもあるが、通常メールと確実に区別できるキーワードは無い。従って件名のキーワードで自動削除条件を設定しても効果は少ない。唯一使えるのは件名に「未承諾広告※」が入っているメールに対してであるが、そんな順法メールは稀であるし削除しなくても害は無いのかも知れない。
3.本文に含まれる文字をキーワードとして選別しようとする場合にすべてに共通する単語は無いが、比較的多く使われている単語はある。従って本文に含まれる文字をキーワードに自動削除設定すれば2〜3割程度は自動削除可能である。ただし必要なメールも一緒に削除される危険性もある。例えば「人妻」「女性」「女子大生」などは有効であるが、必要なメールでもこれらの文字を含む可能性はある。
4.総ての迷惑メールに犯人が誘導しているサイトのURLが含まれる。同一URLの前方一致するものが高頻度で存在するものがある。有名プロバイダーのサービスは使っていない(管理されているので使わせてもらえない)。従ってhttp://*****.comなどの*****部分をキーワードとして自動削除設定すれば、確実な削除対象となりうる。

 以上のように、犯人は発信元が判らないように偽装しているのは勿論、本文の内容まで注意を払っている。GALやHやCELEBなどがよく使われているが、これを削除キーワードにしてしまうと大量の正常メールが同時に削除されてしまうので削除キーワードにできないのである。

 結局、自動削除で使えるのは3.の一部と4.ということになる。4.が最も良さそうであり、URLだけは偽装できないし、偽装したのでは犯行の目的達成できないのである。おそらく犯人側としては、比較的短期間でサイトを閉じて、また別のサイトを開設するということを繰り返しているようである。しかし、URLを取得するには多少の費用と手間がかかるので、犯人側としても足がつかない範囲でできるだけ長く使いたいと考えるところであろう。対する我々被害者側も常に新規発生する違法サイトのURLを登録するというメンテナンス作業をしていかなければならないのである。

 このように本文に含まれるURLの一部を1週間分自動削除条件に設定した結果、受信した迷惑メールの大半は自動削除されるようになった。しかし、毎日4,5通は削除条件未設定で残ってしまう。これに含まれるURLを毎日の日課として削除条件に追加登録している。手間としては個別削除するより余計時間を使うが、以前は「こんちくしょう」と思いながら削除していたのが、今度は「ざまあみろ」という達成感を持ってやれるのでストレス解消になっている。また必要なメールを一緒に削除してしまうというミスも無くなった。しかし、敵はその上をいく対策をとってきたらしく、削除登録しているのに消えないものがある。当分の間イタチゴッコが続きそうである。

【ご注意】メーラーからエクセルにURLをコピー貼り付けする作業では少しでも手元が狂うとそのサイトが開かれてしまいます。エクセルでは自動リンク設定されるので、予めハイパーリンクの機能を解除しておくようお奨めします。古いバージョンではハイパーリンク機能解除できないこともあります。ご注意ください。

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