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★★ 国交省の無駄使い ★★ 2006年05月14日

 釧路湿原を流れる釧路川を直線から蛇行させる工事を行うらしい。ここは、かって自然保護団体の反対を押し切って直線化の工事を行ったところである。水はけが良くなり湿原が乾燥化したため、自然再生法に基づいて戻すのだそうだ。同様に関東平野を流れる荒川・旧河川の蛇行復元もやるらしい。

 国土交通省の役人にはお前らは「阿呆か」とあきれ返るしかない。直線化工事の計画段階で、自然破壊になることは承知の上「洪水を防ぐため」でやったことであろう。おそらく、直線化した時の担当官と曲げ戻しの担当官は異なり、誰も間違いとは認めず、責任は取らないのである。

 過去にやってしまったことは仕方がないにしても、誰も反省することなく、直線化工事と類似の過去と同じ間違いを今現在もあらゆる場所で進行させていることには「阿呆か」というより「このやろー」と怒鳴りたくなる。このコラムでも無駄な自然破壊工事が際限なく繰り返されていることを書いたが、莫大な借金を抱え財政難のはずなのに相変わらず莫大な金額を借金の積み増しをしてまで無駄な工事につぎ込もうとするのか本当に理解に苦しむばかりである。

 これは、土木工事を担当する役人がいて、土木工事を請け負う業者が存在する限り、無駄な「泥んこ遊び」が繰り返されることになるのであろう。土木工事の担当官が居れば、彼らは何か仕事をしなければならないという使命感があるので、無駄と判っていながらでも何か工事をしなければ自分の存在の意味が無く、彼らにとっては必死で何かの工事のネタを探し回っているのである。工事業者はもっと深刻で食べていくには工事をしなければならないのである。本当に必要な工事をやり尽くした現在では、お互い必死で無駄な工事や改悪工事でも何かのへ理屈でも付けてやらなければならない現状があるのである。これは役人が阿呆なのではなく、彼らがまじめに仕事をしようとすればするほど「阿呆な」ことをせざるを得ないのである。

 結局誰が本当の「阿呆」かということになると、このような体制を放置している政府と、族議員であろう。さらに言えば彼らを選挙で選んだ我々国民が本当の「阿呆」であったのである。反省して次の選挙では本当の改革をしてくれる議員を選ばなければならないということになる。

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