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★★ 春は自転車 ★★ 2006年04月27日

 「春は自転車」数日前のラジオでこんな話題のトークがなされていた。夏目漱石が1900年から2年間ロンドンに留学した際、下宿の老婦人に勧められて自転車に乗る練習をしたとのこと(エッセー「自転車日記」)。すっかり暖かくなり、筆者の自転車通勤のハンドルを握る手に手袋が要らなくなった。正に自転車が最適の時季となった。

 自然の中を歩くのも良いが、自転車で行くのはもっと良い。何しろ道端に咲く花を見落とさない速度であって適度に景色が変わってくれる。爽やかな風を感じ、適度な運動にもなるので健康維持には打って付けである。

 現在の自転車の形が出来上がって約100年とのこと。歴史的にあまり古いものでもない。筆者が子供の頃と比べて、自転車の進歩として次の点が挙げられる。

 1)ブレーキ操作の伝動系がワイヤーに変わった。
 2)内装ギア変速機の登場
 3)ライトの発電機が前輪車軸になり自動点灯機構の導入
 4)ステンレスやアルミ合金、プラスチックが使われ、錆びなくなった。
 5)電動アシスト自転車の登場
 6)価格の低下

 自転車通勤途上、橋の上で筆者をスイスイ追い越していくおばさんがいた。この橋にたどり着くには堤防の高さまで登り坂をヒーヒーいいながら登ってこなければならないのだ。筆者がやっとのことで登り切ったところをスイスイ追い越すこのおばさんはいったい何者だ!と思いきや電動アシスト自転車に乗っていたのだ。

 電動アシスト自転車の登場は外観はあまり変わらないが、基本的な構造、原理に大きな変化がある。これは車がガソリン車から燃料電池車に変わることよりも大きな革命になるかも知れない。現段階の電動アシスト自転車ではバッテリーの限界であまり長時間使えないが、これに燃料電池が応用されるようになれば、メタノール(または水素ガス)を補充するだけで、どこまでも走っていけそうである。そうなれば、山道の登りでもスイスイという時代が来そうである。

 現在、サイクリングに出掛けようかという距離はせいぜい片道5〜10kmであり、登り坂があれば「止めとこ」ということになる。電動アシストならあまり疲れないので片道2〜3時間でもへっちゃらになるかも。往復100kmでも楽しめる時代が来そうである。5〜10年先かな?それまで生きているかな?そんな自転車を楽しんでみたいものである。

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