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★★ 公園の自然 ★★ 2003年04月24日

道満グリーンパークを西側の土手上から見た風景


 我が家から車か自転車で5,6分の所の荒川河川敷に道満グリーンパークという公園がある。私は最近デジカメ写真を趣味としており、花や野鳥を撮りに行くのに手頃な場所である。数年前に彩湖という水源と治水を目的とした大きな人造湖が出来、水鳥も来るようになった。この彩湖が出来る前には公園は在ったが回りは荒涼とした葦原の調整池であった。今はもう社会人になった息子達が小さかった頃、近所の子供も引き連れて探検と称して歩き回ったりしたものである。この荒川河川敷は、秩父の山奥と東京湾の海とが繋がっているので、動植物の種類が豊富である。海鳥であるカモメやイソシギが居たり、山鳥であるキジが居たりする。植物も上流から種が流れてくるなどで、種類も多い。

 彩湖が出来て公園として整備されると、かなり有名になり大勢の人が来るようになった。土日には朝早くからテントやバーベキューセットを持ち込んで休日を楽しむ人々も多い。インターネット上でも有名で、愛犬家の集まりや、ローラースケートの愛好家の集まり、ウオーキング仲間の集まり、ウインドサーフィン仲間の集まり等など、色んな催しも行われている。

 この公園はテニスやサッカーなどのスポーツを楽しんだり、自然を大切にして、自然を楽しむことも目的にしている。だから、色々禁止事項も設けられている。例えば、「犬は放し飼いにしない」「釣は禁止」・・ ところが、ここへ犬を連れてくる人の大半が紐を解き放って自由に走り回らせている。私が水鳥の写真を撮っていると、犬がやってきて水鳥を追いまわすのである。中には水に入って泳いでまで水鳥を追いかける犬もいる。昔は野うさぎも見かけたが、今は居ない。おそらくこれだけ多くの犬が来て追いかけられたらこんな所に住み着くこともできないのでしょう。釣は禁止となっていても、多くの釣り人が岸に並んでいる。ちゃんと一角に堂々と釣を楽しめる釣堀があるのだが、禁止区域で釣をしているのである。当然ながら、故意であろうがなかろうが釣り針や釣り糸が捨てられ、野鳥が飲み込んだり、体に巻きつけて被害を受ける。最近この釣をさせないために橋の下に見苦しいネットが張られた。ゴミを捨ててはいけないのは当たり前であるが、都会に近いためか、タイヤ、家具、電気製品、自転車等の廃棄物が捨てられたりしている。ゲートがあるので、一般車は侵入出来ないはずの場所に大量の廃棄物が捨てられているのである。

 世の中には自然の良さ、大切さを理解できない人も多い。彩湖が水道水源としてきれいな水を貯められるのも、水草があり、それを食べる魚がおり、またそれを食べる水鳥がいることで自然のバランスが保たれて浄化作用が働いているからである。また、公園の整備事業と称して葦原を刈って花壇を造るなどしているが、葦原は野鳥の繁殖地なので、人工物はなるべく増やさないようにしていただきたいものである。私にとっては花壇の花よりも手を加えない野草の花の方がより心が和むように思える。我々写真愛好家がいつまでも楽しめるように野鳥たちを追い立てるようなことはしないでいただきたいものである。

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