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★★ IC1805ハート星雲、NGC6992網状星雲、M31アンドロメダ銀河 ★★
2019年08月03日
 先日から星雲を撮影していますが、画像左の赤カブリが酷く、ここに載せることすらできないほどでした。このままでは今シーズンの星雲が撮れないままで終わりそうなので、今日は徹底して原因究明を試みました。
 まず、レンズを取り替えてNikkor300mmf2.8 → Tamron200mmf5にしてみましたが全く同じ現象が出ました。QBPフィルター → LPS-D1フィルターに変えても露出と色合いが変わっただけでカブリ傾向は改善されません。SharpCap-PROのフラット画像を作り直してみましたがそれでも変わりません。色が影響しているので、フラット作成でモノクロにするのチェックを外したら赤カブリではなくなりました。これによりフラット画像が大きく影響していることが判明、SharpCapのPreProsessorのフラット画像をNoneにし、別途露出時間を撮影と同じにしたフラット画像を作成し、StellaImage8でコンポジットしたところ、かなり改善されました。
 結局最大の問題はカメラASI294MC-PROの左右でかなり大きな明るさの差があるということでした。撮影中のモニターでも当初から左右で明るさの差があるので気になっていたのですが、正にこれが原因だったのですね。これにQBPフィルターを使ったことで赤カブリとして大きな差になったのです。淡い星雲を撮影して強度のレベル調整をすると極端な赤カブリとなって作品として使えないほどになってしまったということでした。
 カメラが原因ということは、フラットで補正するしか対策はありません。フラットも撮影とほぼ同じ露出時間で撮影しないとうまく機能してくれません。そこで、露出時間を変える度に4枚のフラット画像を作成し、撮影継続しながらStellaImage8でフラット処理を含めてスタックして確認するようにしました。また、本当の空の光害カブリもあるので多枚数を一度にスタックするのではなく、8フレーム程度づつスタックして、カブリ補正を加えるようにしました。多枚数を一度にスタックすると、カブリが丸くなってStellaImage8のカブリ補正しても均一にならないからです。撮影時間経過とともにカブリ補正角度が変わっていきます。

IC1805ハート星雲とIC1848胎児星雲 大変な苦労の結果何とか形がわかるように撮れました。

[撮影データ]SkyWatcherEQ6R赤道儀、PEC+恒星時追尾、Tamron200mmf5、QBPFilter、ZWO ASI294MC-PRO、0℃、SharpCap-PRO、CaptureArea=4144x2822、Gain=300、Exposure=120s-24fr、180s-32fr、240s-16fr、総208min、StellaImage8で処理・Flat適用、Photoshopで調整
NGC6992網状星雲とNGC6960魔女のほうき星雲 赤カブリの無い状態で撮れました。

[撮影データ]SkyWatcherEQ6R赤道儀、PEC+恒星時追尾、Tamron200mmf5、QBPFilter、ZWO ASI294MC-PRO、0℃、SharpCap-PRO、CaptureArea=4144x2822、Gain=300、Exposure=100s-8fr、120s-8fr、180s-8fr、総53min、StellaImage8で処理・Flat適用、Photoshopで調整

M31アンドロメダ銀河 これは前日赤カブリ対策をやる前に撮影しStellaImage8のカブリ補正をしたものです。

[撮影データ]SkyWatcherEQ6R赤道儀、PEC+恒星時追尾、Nikkor300mmf2.8、QBPFilter、ZWO ASI294MC-PRO、0℃、SharpCap-PRO、CaptureArea=4144x2822、Gain=300、Exposure=120s-57fr、60s-70fr、総184min、StellaImage8で処理、Photoshopで調整

今回の赤カブリ問題出現のきっかけはSharpCap-PROでDark・Flat補正が出来るようになったので、それを利用したためでした。うまく使えば便利な機能ですが、使い方を誤ると後でフラット画像を変えるとかやり直しができないので注意が必要です。
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