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★★ 赤道儀の検討 ★★
2019年03月30日
 私が天体写真を始めるにあたり、まず購入したのが「ポタ赤」と呼ばれるポータブル赤道儀スカイメモSでした。これを使って天体写真撮影を続けていくうちにどんどん欲求がエスカレートし、これに搭載できる範囲の望遠鏡として、セレストロンC5を購入したものです。
 ところがスカイメモSにセレストロンC5を搭載して天体撮影するうちに、搭載荷重が上限ギリギリのため、ピント合わせで揺れ動いて大変とか、光害地で見えない天体を導入するのが大変ということになり、自動導入機能を持ったSkyWatcherのEQ5GOTO赤道儀購入に至ったのです。そしてEQ5GOTO赤道儀にCelestronC5を搭載して天体撮影を続けてきたのですが、またまた欲求がエスカレートしています。口径の大きなMead8in.を導入したことと、オートガイド撮影が多くなったことです。重量のある長焦点鏡筒やオートガイド使用ではEQ5GOTOでは耐えられず、地面の振動を大きく受けたり、ちょっとした風でもブレてしまうのと、大きなバックラッシュでオートガイドミスを頻発し、半分以上が使えなくなるという問題です。気遣いなく寝ている間でも撮影を続けられるような撮影体制を構築したくなりました。寝ている間でもということは自宅撮影です。天体撮影を始めた当初は月とか、明るい惑星が撮れればよいという程度に考えていたのですが、光害カットフィルターやナローバンドフィルターを使えば、光害地の我が家からでもかなりの天体撮影が可能であると分かってきたのです。ならばしっかりした赤道儀を自宅バルコニーに設置して自由自在に撮影できる体制を作り上げたいと考えるに至ったのです。

 これまで使ってきた赤道儀SkyWatcherのEQ5GOTOは小型赤道儀の範疇で、最大搭載荷重は9kgで、オートガイドの応答不調とMead8in.では搭載荷重オーバーによるふらつきがあるため、ひとクラス上の中型赤道儀の導入を考え始めました。
 そもそも赤道儀には最もお金をかけるべきであったのですが、ここまで天体写真にのめり込むつもりはなかったので、天体が見えない光害地の我が家で自動導入が出来て、セレストロンC5を使った撮影が出来ればよいということで、EQ5GOTOを買ったのですが、その後Mead8in.を導入したり、当初は狙わないつもりであったディープスカイの天体まで狙うようになってきたため、EQ5GOTO赤道儀では性能(精度)で全く不足と感じてきた次第です。いいなと思うようなきれいな天体写真をネットにアップしている人で私と同じEQ5GOTOをメインに使っている人はあまり居られないようです(最近EQ5GOTOも新機種が出て良くなっているようです)。

 条件としては次の5項目は必須です。
①オートガイドPHD2で30分程度は±2"角以内でガイドできること。
②風速3m/秒程度までの風の影響を受けないこと
③10kg程度の鏡筒を載せた写真撮影が可能なこと
④自動導入機能を持つこと
⑤自宅設置で近隣に騒音迷惑をかけないこと

 次の赤道儀を導入するにあたり、赤道儀について出来るだけ勉強してみることにしました。以前は価格の高い赤道儀は対象外として見てこなかったのですが、50万、100万円の赤道儀についても、なぜそんなに高価な赤道儀を購入する人がいるのかという理由まで考えるようになってきました。赤道儀の勉強はすべてウェブ学です。

 以前は性能の優れた高価な赤道儀を持っておれば、一生ものとして何十年も使え、手放す場合もオークションで高価で売れるというものでした。ところが、調べていると、最近そんな高価な赤道儀がオークションで多く出品されるようになってきました。それに落札価格が次第に低下する傾向が見られます。なぜでしょう。理由は赤道儀の技術が進歩してきたからのようです。昔の赤道儀はピリオディックモーションが小さく精度よく星を追尾できればそれで良かったのですが、最近は環境の変化でそれだけではユーザーが満足できなくなってきたからです。

①高精細デジカメで撮影されるようになり赤道儀の追尾精度がさらに要求されるようになった
②オートガイド使用が増え、オートガイド対応と応答精度が要求されるようになった
③PEC機能(ピリオディックモーション補正機能)が必須となった
④ベアリングを使ったスムーズな動きが要求されるようになった
⑤バックラッシュ低減のためベルトドライブが採用されるようになった
⑥光害地からは天体が殆ど見えないため、自動導入がほぼ必須になった。
⑦ベランダ撮影/観望が増え、北極星が見えない場所での極軸合わせが必要になった。
⑧駆動モーターがDCサーボモーターから静音高精度のステッピングモーターに変わってきた
⑨GPS導入で、位置情報、時間の設定が不要になってきた
⑩水平をとるなどごく僅かな初期設定のみで、自動でほぼすべての設定を行う機種も登場してきた
⑪遠征向けに軽量でありながら搭載荷重の大きな機種も登場してきた
⑫以前は不可能であった子午線越えで撮影継続できる機種も登場してきた

 これらの新機能は旧い機種ではメーカー改造などに頼らないことには不可能なのです。メーカーが対応していなければ、買替しかないのです。そんなわけで旧い高級機がオークションに出品されるようになったのではないでしょうか。

 では次の赤道儀はどんなものにするのかです。上を見ればきりがないですしお金もありません。満足できる赤道儀は50万円以上はします。現時点での欲求を満足できる赤道儀は中型赤道儀と呼ばれる範疇で搭載荷重は15~20kgです。国産赤道儀だと最低でも50万円です。中古をオークションなどで物色していますが、出てくるのは旧い機種ばかり、中型赤道儀で自動導入機能等私の要求性能を備えたものは滅多に出てこない。ここのところ、予算範囲を20万円前後に設定してみていると、SkyWatcher EQ6R、iOptron iEQ45PROが候補に挙がってきました。どちらも中国製です。現在持っているEQ5GOTOも中国製でコストパフォーマンスは良いと言われたものですが、造りが雑で、自分で調整しながらでないと使いこなせないものでした。この候補に挙がったものも、使っている人の評価を見てみると何かしらの問題が発生しているようです。しかし、最近は中国製も品質が良くなっているとの評価もあり、これらの問題が出ても自分で調整できるのであれば、使いこなせるかもしれないという希望的見方もあります。どちらも設計上の機能はすばらしいものです。特にiEQ45PROはGPS機能搭載で日付や位置情報の入力の必要がないとかベルトドライブ採用とかウォームホイールとギアをスプリングで押さえるなどバックラッシュレス機能を導入しています。これはバックラッシュによるオートガイド不良に悩まされている私にとって是非とも欲しい機能です。
 最新機能を備えた機種は中古では出てこないので、新品購入ということになりそうです。節約して購入出来る金額を溜めなければなりません。消費税率アップも気になります。実現はいつになるのでしょうかね・・・・
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