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★★ 300mmF2.8をF4で使ってみた ★★
2018年12月30日
Nikkor300mmf2.8は天体撮影の常識から絞り解放で使ってきましたが、今回導入のQuadBPフィルター使用で星が二重像になる問題もあったので、一段絞ったF4での撮影を試みました。
結論として、「F4にする必要なし」でした。F4にして良い点は明るい星の光条がきれいに出るのと、ほんの僅か星がシャープになったかなという程度。悪い点は星の二重像は無くならないのに露出は2倍になり、赤道儀のピリオディックモーションで星が流れて収率が半分になることです。撮影に時間がかかるのに結果の画像は良くならないということです。折角のF2.8ですから、今後は明るさを活かした撮影に使っていきたいと思います。ちなみに星が二重像になるのは本当は青色の光条になるべき部分がフィルターの機能上赤く写ってしまっているという現象のようです。

IC2177カモメ星雲 一昨日のカモメ星雲と比べてみてください。今回構図を変えましたが、画像品質はちっとも良くなっていないですね。

[撮影データ]SkyWatcherEQ5GOTO赤道儀、Nikkor300mmF2.8→F4、Quad BP Filter、ZWO ASI294MC-PRO、-10℃、Capture Area=4144x2822、SharpCap使用、Gain=300、Exposure=110s、fits36frame、3960s(66min)、SI8&Photoshop、Flat適用、トリミングなし

IC405勾玉星雲とIC410 2018/1/18にTamron200mm+CLSfilter+D5500で撮ったものよりは格段に良く写っています。でも星の多い場所ではあるのですが、星とノイズが混ざってしまいました。

[撮影データ]SkyWatcherEQ5GOTO赤道儀、Nikkor300mmF2.8→F4、Quad BP Filter、ZWO ASI294MC-PRO、-10℃、Capture Area=4144x2822、SharpCap使用、Gain=300、Exposure=120s、fits39frame、全4680s(78min)、SI8&Photoshop、Flat適用、トリミングなし

以上が今年の撮り納めとなりました。
これを撮影した時、一緒にFlat画像も撮影しましたが、そのFlat画像を適用すると、極端にFlat補正過剰となり周辺増光となってSI8で補正しきれず、再度Flatを撮り直しても改善できずすったもんだで1日を費やしてしまいました。ようやく判ったのが、Sharpcapで保存されるFits画像はすべてレベル補正されているということです。Flat画像もレベル補正されているため、Flat画像の周辺減光が大きくなるのに対し、F4で撮影したLight画像はレベル補正されてもあまり周辺減光が大きくないため生じた問題でした。これまでも同様の結果になっていたけれど、F2.8で撮影した画像はある程度周辺減光が大きかったので、Flat画像との差が大きくなく、何とかSI8で補正できる範囲であったということでした。上記掲載画像はFlat画像のレベル補正を逆に広げる処理をした後に適用しました。
今後、キャプチャーソフトに何を使うか再検討の必要ありということです。サンニッパーをF4で使ってみて良くはならなかったですが、この問題が明らかになったという別な意味の成果が得られました。