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★★ Quad BPフィルターで彗星 ★★
2018年12月10日
 
 宵のうちは雲がありましたが、19時頃には快晴になり雲が出ることもなく続きました。

 そこで、今話題の46Pウィルタネン彗星を撮ってみようかと考え、双眼鏡で探してみました。今現在居そうな場所を見てもそれらしきものは何も見えません。くじら座α星の近くらしいので、Quad BPフィルターを装着したNikkor300mmF2.8+ASI294MC-PROで、まずくじら座α星を自動導入し、その南東方向へずらしていくとボヤーっとした星が見つかりました。彗星は青い色のはずだったのですが、赤味があります。おそらくフィルターのせいだろうと、しばらく観察していると、周りの星に対して少しずつ動いていることがわかり、彗星に間違いないと確信した次第です。これだけ早く動いていると多枚数スタックは無理であろうと思い、ゲインを300に落とし、少ない枚数でも良いようにノイズ低減を図りました。
 可視光なら青いのですが、処理してもまったく青味は出てきません。その代わり北東方向に何となくテイルが出ているのが分かります。この時期可視光で撮影された方の画像を見てもまったくテイルは確認できないですが、HαやOⅢではテイルが見やすいようです。

[撮影データ]SkyWatcherEQ5GOTO赤道儀、Nikkor300mmf2.8、Quad BP Filter、ZWO ASI294MC-PRO、-10℃、Capture Area=4144x2822、SharpCap使用、Gain=300、Exposure=50s、4frameをLiveStack、Flat適用、SI8&Photoshopで処理、辺1/2にトリミング

M33さんかく座渦巻銀河 撮り増しし、スタックしました。次第にノイズが少なくなり、滑らかな画像になって行くようです。実際の色はもう少し青味があるようですが、ナローバンドフィルターなので仕方がないですね。

[撮影データ]SkyWatcherEQ5GOTO赤道儀、Nikkor300mmf2.8、Quad BP Filter、ZWO ASI294MC-PRO、-10℃、Capture Area=4144x2822、SharpCap使用、Gain=400、Exposure=30s、16frameづつLiveStack、全200frame5880s(98m)、Flat適用、SI8&Photoshopで処理、トリミングなし
 
M45プレアデス星団 これも撮り増ししました。非光害地で撮影したものと同等になってきました。

[撮影データ]SkyWatcherEQ5GOTO赤道儀、Nikkor300mmf2.8、Quad BP Filter、ZWO ASI294MC-PRO、-10℃、Capture Area=4144x2822、SharpCap使用、Gain=400、Exposure=30s、16frameづつLiveStack、全168frame4000s(66m)、Flat適用、SI8&Photoshopで処理、トリミングなし

バラ星雲 Hαが主体の星雲なので、きれいに撮れることを期待しましたが、あまりコントラストは高くありません。強調処理した結果、どぎつくなりバラというよりも骸骨の目という感じが強くなりました。

[撮影データ]SkyWatcherEQ5GOTO赤道儀、Nikkor300mmf2.8、Quad BP Filter、ZWO ASI294MC-PRO、-10℃、Capture Area=4144x2822、SharpCap使用、Gain=400、Exposure=20s、25s、30s、16frameづつLiveStack、全192frame3760s(63m)、Flat適用、SI8&Photoshopで処理、トリミングなし

Quad BPフィルターを使った画像で、恒星のいくつかが2重になってしまうという問題が気になります。
いくつかの星ということはどうやら青い光を含む星ではないかと思われますが、屈折系ではHαSⅡの赤とOⅢHβの青では波長が大きく異なるので焦点距離が異なります。EDレンズではあるのですが、一方でピントを合わせると他方ではピントがずれてこのようになるのかと考えられます。光量の多いHα側でピントを合わせると、OⅢ側はピンボケになる。中間にすると両方がピンボケになるので、現状では今のピントの合わせ方しかないようです。反射系ならこれは出ないかと思われるので、反射でもQuad BPフィルターのテストを行う予定です。