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★★ 惑星撮影機材についての考察 ★★
2017年06月19日
 悪天候が続き、天体撮影が出来ないので、私の機材での惑星撮影サイズについて考察してみました。

 元は、セレストロンC5にコーワのスポッティングスコープ用14mm30倍アイピースを使用し、カメラはWebcamC270を使用して丁度良い大きさに撮影出来ました。
 この度、新しいカメラZWO ASI290MCを購入したのですが、望遠鏡への取り付け方法が異なり、Tリングを取り外して直接拡大撮影アダプターの42mmTネジに取り付けたため、カメラがアイピースに近くなって拡大率が低下しました。
 新しいカメラで使用するキャプチャーソフトFireCaptureでは、写った惑星の大きさから焦点距離を算出してくれるのですが、それでは木星を撮影すると3000mmとなっていました。これでROI=640x480で撮影すると明るくシャッター速度を速くしFPSを稼げるのでシーイングの悪い状態でもそこそこ鮮明には写るのですが、長辺640pxの約1/3の209pxにしか写らずやや物足りなさを感じます。
 そこで、手持ちのアイピースはPL10mmとPL6mmしかないのですが、PL10mmに取り替えてみました。その結果は焦点距離が9300mmとなり、一気に3倍以上にも拡大されてしまいました。カメラのセンサー上で603pxになりROI=640x480では入りきりません。そこで、ROI=1280x960にしたところ、長辺の47%(ほぼ1/2)で丁度良いサイズになります。これをネットに投稿するには1280→640と丁度半分に縮小することになります。これはそれで良いのですが、最大の問題は、惑星を写って欲しい必要なサイズの2倍で写すということは明るさが1/4になってしまうということです。明るさが1/4になるとシャッター速度は4倍、FPSは1/4になってシーイングの悪い時にはボケボケになるということになります。新しい惑星撮影用カメラを買った最大の理由は、望遠鏡の口径の小ささをカメラの感度でカバーできないかということだったのにこれでは目的を達成できません。
 対策を考えてみました。ネット上で皆さんが撮影されている条件で焦点距離を調べてみると、6000~8000mmが多いようです。この条件を満たすには

1)一般的なバローレンズを購入する。この場合6000~8000mmにするには1250mmx5で5倍バローレンズを購入することになります。バローレンズにもピンからキリまであり、良い物となるとパワーメイトの5倍バローレンズで税込み¥30240もします。ここでもう一つ引っ掛かる点が、将来口径の大きな鏡筒を買った場合、2.5倍でよいということになり無駄にならないかということ。

2)PL10mmアイピース使用で、拡大率を減らせないか。このためには、アイピースとカメラの距離を縮めてやればよい。拡大撮影アダプターの長さは変えられないので、アイピースをカメラ側に移動すればよい。31.7mmスリーブ延長筒としては、28mm伸ばせるアダプター式と12mm伸ばせるねじ込み式があり、28mm伸ばすと焦点距離が5800mm、12mm伸ばすと焦点距離が7800mmとなります。この方式だと12mm伸ばす方を採用することになり、¥2600。

3)元の14mmアイピース使用で、カメラ位置を後ろに伸ばして拡大率を上げる。このためには42mmTメス-31.7mmスリーブアダプターを導入することになります。どれくらいカメラ位置をさげれば良いかはFireCaptureが算出した焦点距離を信じれば、後方へ19mmということになります。市販アダプター類を検索すると、42T2-31.7mmアダプター式と、M42延長筒方式がありますが、19mm前後となると42T2/31.7mmアダプターで20mm延長¥2808と30mm?延長¥3348があり、このどちらかです。計算が正しければ、20mmなのですが、現物の寸法がからすると30mmの方が近い気もします。

以上で、1)は高価なので駄目、2)か3)ということになります。3)ならカメラの脱着、回転が容易というメリットと、直焦点でも使えるということで、採用するなら3)42T2/31.7mmアダプターに決定です。延長長さが20mmか30mmかはもう少し実験した上で決めたいと思います。(実を言えば、カメラ注文の際に42T2/31.7mmアダプターも一緒に注文しようかと考えていたのですが、延長長さが不明なため延期した次第です。)

この時期は晴れていてもこんな雲がかかり、天体撮影が難しくなります。今年の土星は高度が低いので、いつも雲に邪魔されます。
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