デジタル一眼イメージセンサーのゴミ

2005年3月9日更新

 筆者は昨年(2004年)7月からデジタル一眼レフカメラの愛用者となった。それまではもっぱらコンパクト型デジカメ、レンズ一体型高倍率ズームデジカメを使っていた。カメラはレンズが命、良い写真が撮れるかどうかというカメラ機能の8〜9割はレンズの良否で決まってしまうのであるが、良いレンズの付いたレンズ一体型デジカメならそれなりに使えるが、色んな場面で、もっと広角にしたいとか、もっと望遠でとか、背景をもっとぼかしたいとか、もっとシャッター速度を早くしたい、という時に限界があってどう足掻いても不可能である。そこで威力を発揮するのがレンズ交換である。レンズを取り替えるとカメラは全く別のカメラを持つのと同じくらい変わるものである。そのレンズ交換可能なデジタル一眼レフカメラは出始めた頃は非常に高価であったのだが、それがレンズ一体型デジカメと同じくらいの価格に下がってきたので、貧乏な筆者にもようやく手が出せるようになった次第である。
 ところが、このデジタル一眼レフカメラは1つ重大な問題を抱えているのだ。それはイメージセンサー(CCDとかCMOS)に付くゴミ問題である。フィルムカメラの場合はレンズ交換作業で多少のゴミがカメラ内に入ったとしても常に新しいフィルム面を使うので撮影する画像にゴミが写り込むことは無い。ところが、デジタルではイメージセンサーは固定で全画像に同じイメージセンサーを使うため、一旦ゴミが付着するとその後撮影する総ての画像にそのゴミが写り込んでしまうのだ。実際は構造上イメージセンサーの前にローパスフィルタというのがあって、これにゴミが付着するので、少しボケたゴミが影のように写り込む。ゴミの付着した場所に青空が写ったような場合には小さなゴミでも非常に目立つのである。このゴミ除去にはサービスセンターへカメラを持ち込み、数日預けてクリーニング作業をお願いするようであった。筆者もこの問題があるので、デジタル一眼購入に際して悩んだのであるが、色々調べていると、何とか自分でもクリーニングが可能だということであったので購入に至ったのだ。

 さて、デジタル一眼を使った結果はどうであったかというと、レンズは1本だけでスタートしたので、交換作業はまったくなかった。だからゴミ問題は無いかというとそうではなく、約半年後であるが、ゴミが付いた。一眼レフはカメラの中にミラーとシャッターという可動部があり、どちらもシャッターを切る瞬間高速で動く。あのガシャという音がそれだ。いくら精密に作られていても、物が存在して動けば、磨耗とか何かでゴミが発生する。ミラーがバタンと動けば激しい空気の動きが起るので、ゴミは動きまわり最後にどこかに付着して落ち着く。そこがローパスフィルターであるとゴミ問題発生ということになるのだ。早速自分でクリーニング作業をしてみた。道具はブロワーだけである。マニュアルの手順に従ってレンズをはずし、ミラーアップをしてみると、グリーンっぽいCCDが見えた。肉眼ではゴミそのものは確認できない。画像でゴミが見えた位置(筆者の場合は画像の右上であったのでCCDの左下)あたりをめがけて数回ブロワーで吹き付けた。そして、再びレンズを付けて、蛍光灯の明るさの均一な部分をピントをはずして撮り、拡大してみた。万歳!クリーニング成功。マニュアルではクリーニング紙に無水アルコールを付けて拭くようなことが書いてあるが、まずはブロワーで吹き飛ばすだけで良さそう。ブロワーで除去できないしつこいゴミの場合にアルコールで拭くことになるのであろう。一般家庭の埃っぽい環境で拭く作業をするとかえって別のゴミを付けてしまう危険性もあるようである。

 筆者も念願かなって、ようやく2本目のレンズを持つことができた。これからはゴミに注意しつつも、気兼ねなくレンズ交換して写真を楽しんでいこうと思う。
 だけど、屋外の現場でこんなクリーニング作業は出来そうも無い。某メーカーでは超音波の振動でゴミを振るい落とす仕組みを導入したとか。いずれこの問題は解決され、過去のものになることでしょう。

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追記) その後、交換レンズを4本持ち歩くようになってからの出来事であるが、やや風の強い日にレンズ交換したら、最初の交換で左のような非常に目立つゴミが付着し、その日に撮った総ての写真に写り込んでいた。こんなに大きなゴミが付いてしまうとガッカリ。
どうしても使いたい作品なら、ソフトで何とか修正はできるが嫌な気持ちは残ってしまうものだ。
これも、ブロワーでシュッとやったら取れた。