筆者はネットショッピングはよくやるが、オークションは使ったことがなかった。

　中古品を高く売ったり安く買ったりするのに有利な手段のようであるが、現物を手に取って確認出来ないので、不良品を高く買わされそうな気がして全く相手にしていなかったのだ。

　ところが、天体写真撮影を始めて、欲しい機材が次々と出てくるのだが、新品はメチャクチャ高価なのだ。仕方なくレベルを2段階ほど落として安物を買ってしまったのであるが、実際使ってみて結局は「安物買いの銭失い」を地で行く結果となっている。

　天体撮影の分野で情報を集めていると、大半の天体マニアはヤフオクで機材を入手しているようである。そこで欲しい機材をヤフオクでも調べるようにしてきた。そしてわかってきたのが、本当に性能の良い機材はあまり出品されないこと。またかなり古い中古でもあまり安くならないようであること。筆者としては中古なら新品の半額以下であるべきだとの信念を持って見てきたのであるが、天体撮影分野では半値以下になるのは所謂「ジャンク品」と呼ばれるもので、壊れていたり、レンズや鏡にカビが生えていたり、そのままではまともに使えないものだけである。それでも天体マニアは修理したり、洗浄したりして使いこなしているようだ。

　時々良さそうな物が出品され入札をしてみるが、終了直前にどんどん金額が上がり、かなり高い金額で落札されるのである。出品しているのは一般の人もいるが、大半は業者であるのが実態だ。一般ユーザーからタダ同然の安い値で買い取った物を出品し、高く落札させるのを商売にしているようである。出品されている物の説明を見ても、中古で買った物をまた出品するというパターンも多い。

　星雲などの天体撮影用として、300mm～400mmの明るい屈折望遠鏡を探していたのであるが、FLかEDレンズの口径100mm以上でレデューサーセットになる。新品だと30万円程度になってしまう。中古で半値の15万円以下で出てこないかな～と見てきたのであるが、出てこない。そこで、考え方を変えて、何も天体望遠鏡でなくてもカメラレンズでも良いのではないかということにした。カメラレンズだとこのクラスでサンニッパと呼ばれる300mmｆ2.8というレンズがある。新品では最安値53万円もするが、うんと古い中古だとヤフオクでも頻繁に出品されている。15年ほど前のマニュアルフォーカスの機種だと6～7万円で落札されている。試しに何度か入札してみたが、最後に別の人に高値で落札されてしまった。でもこれで相場がわかったし、落札するなら、終了直前に入札するとよいことがわかった。

　その後もずーっと良さそうな出品を調べて、これなら良さそうだというのを3品ほどピックアップし、6万円以下という方針のもと、終了直前で入札したら、なんと落札できた。支払いは「Yahoo!かんたん決済」でクレジット払いですぐに支払い手続きはするが、当方の品物受取を確認してから相手に支払われる方式なので安全である。